2月のみかづき。

2017年 ラオスで迎える2回目の「新年」。

あけましておめでとうございます。

サバイディーピーマイ。

Happy New Year! 

https://www.instagram.com/p/BOwG2x3gmE7/

2017年です、2017年ですか、2017年ですよ。

2017年。

いつも年の始めは このあたらしい年の感じに慣れないんですよねー。

何度もいったり、書いたりしているうちに、慣れていく。

あれ、平成は今年何年だろう・・・そして何年だ、今年?さる?とり?

それにしても今年は、今までで1番「年を超した」感がありません。

 

ラオスは仏歴でやっているので、お正月の本番は4月中旬ですが、

「インターナショナル・ニューイヤー」という名のもと、30日(金)から振替の2日(月)までお休み。

30日は職場での(いつも通り)パーティーがあり、

年越しは、同僚と友達と、雨の中、タートルアン(お寺)で過ごしました。

は〜〜〜きれいだった〜〜〜しあわせだった〜〜

https://www.instagram.com/p/BOtHWbsAVG_/

https://www.instagram.com/p/BOtH5pcA2g7/

 

1日は、またまた職場の人の家でのパーティー。

「ビールに塩を少しいれると、炭酸が抜けて酔わなくなる」ということを初めて知る!でも味はあんまり美味しくない・・・

f:id:mikachanko4281196:20170102191006j:plain

f:id:mikachanko4281196:20170102192356j:plain

穫りたて♫ 焼きたて♫

f:id:mikachanko4281196:20170102192437j:plain

パーティーのために雇われてきた、ミュージシャン。弱視でほとんど見えていないそう。何時間もリクエストされた曲を、めっちゃノリノリで弾きつづける。全部覚えてるのかなーーーすごかった!

そのあと同期の子と、犬猫とたわむれたり、

家でトッポギでなんちゃってお雑煮等を食べて、

ようやくちょっとお正月らしい気分になりました。

 

他の国にいる協力隊の人の投稿なども見ていると、国によって 新年の迎え方は違うんだなぁと、当たり前のことを今さらながら思ったりします。

(やっぱり日本のお正月が、好きだーーーーー!)

 

2017年の最初の6ヶ月は、協力隊としてラオスにいて、

そのあとは日本に帰国します。

ちょうど半分半分。どこでなにをしているかな・・・。

ラオスと日本でそれぞれで、たくさんの不安と楽しみがあります。

 

ブログもマイペースにやめてしまわずに、

ラオスのこと、英語のことなどなど、書いていきたいと思います。

 

まずは明日、タートルアン(お寺)での年越しについて詳しく書きます。

どうぞ今年もよろしくお願いします。(^^)

 

昨年はこんな感じで過ごしました。


 

【青年海外協力隊】気がついたらあと半年!第4号報告書を提出します。

https://www.instagram.com/p/BOAJb8lgb8z/

In progress

0 報告書概要

 ラオスに来て、ちょうど1年半となる。日々忙しく過ごす中で、あっという間に時間がすぎていく。本報告書では、2016年7月から12月末までの活動を振り返るとともに、残りの活動期間6ヶ月をどのように過ごしていくかについて記載している。

 

  1.  活動進歩状況
     【英語コース】活動の柱である、公務員の生徒を対象とした6ヶ月コース
     【English Cafe】週末に新しくはじめたイベント English cafe について
     【この先6ヶ月】1月以降の活動の予定について

  2.  課題解決に向けた取り組み
     【生徒の出席率とモチベーション】コースへの参加を促進するために
     【英語の輪】ビエンチャン市内の英語コミュニティについて
     【帰国後どうする】活動先の人材開発について

  3.  活動の成功例・失敗事例
     【授業の試行錯誤あれこれ】英語の基礎の学び方と実践
     【困っているのは自分】活動する中で思ったこと

  4.  受け入れ国の人々の変化
     【"You made me brave!"】英語を話すことへのハードルを下げる
     【知ろうとしてくれるのがうれしい】人を文化を知ろうとすること

  5.  その他
     【タイへの精神保健福祉視察】バンコク周辺の施設見学
     【めこんでの対談企画】ラオス南北での対談インタビュー実施
     【お茶会】IV-Japan 主催のお茶会に参加

1 活動進捗状況

英語コース

 6月からはじまった2回目の6ヶ月英語コースが、12月中旬で終了した。前回の報告書にも記載したように、今回はかなり人数が少なく、修了した生徒は初級・中級合わせて23名である。

5,000kip English Cafe

 10月より、NPO E-Educationで来ている日本人と協力し、5,000 kip English Cafeというイベントを開催している。英語を勉強したいラオス人と、ラオスのことをもっと知りたいという外国人を繋げる場をつくるのが目的である。前半は、アイスブレークを兼ねた英会話、その後はそれぞれの回のトピックに関してのグループワークという2部構成。

 2週間に1度の頻度で職場を借りて開催しており、今までで4回実施。外国人も観光客や在住者などさまざまな国からの参加者を迎えている。毎回ラオス人は募集人数を超える参加希望をもらうなど好評であり、今後も続けていきたいと考えている。また、職場の人やラオス人サポーターと協力して、私が帰国したあとも継続していけるような仕組みをつくっていきたい。

この先6ヶ月

  1月末より3ヶ月の英語コースを行う予定。午後に初級、夕方に中級のクラスで、午後にはカウンターパートに入ってもらい、夕方は外部のラオス人講師と一緒に授業を行う。また、月に一度(金曜朝)活動先の職員数名と、英語教授法についてのワークショップを実施する。加えて、金曜午後に日本文化と日本語についての授業も行う予定。

 

2 課題解決に向けた取り組み

生徒の出席率とモチベーション

 仕方ないのかもしれないが、やはり生徒の出席率が低い。英語だけではなく、他のコースにも共通していえることなので、活動先と話し合い、出席のルールを話し合っている。案としては、1)掲示物を作成し、皆が見える形で出席をとる、2)出席率によって、2種類の修了証書をつくる、3)皆勤賞などの賞を設ける、が出ている。

また生徒のモチベーションを高めるために、1)コースの最初にゴールシートを作成、2)習慣化シート(5分の独学をつづける)の2つを次回試してみたい。

英語の輪

 ビエンチャン市内で、英語を非正規の先生として教える人たち、英語を学びたい学生、英語の学習グループなどと関わる機会を多くもった。その中で感じるのは、インターネットの教材も含めて学習の機会はあること。しかし、英語を学びたい人も上手く情報につながらず、どう勉強したらよいか分からないか困っているということ。そこを繋げていければと思う。例えば、非正規の先生同士の集まりを設けたり、優れた学習者や英語の先生に勉強法等についてインタビューをするなどを考えている。

 帰国後どうする

  活動先で英語を教える人が、現在は私だけなので、帰国後のコース運営をどうするかを話し合っている。6ヶ月、別の機関で英語の研修を受けていたカウンターパートが帰ってきたので、次回3ヶ月はクラスの準備・運営を今度こそ一緒に行う。そして、5人ほどの職員と、月に1-2回、TESOLを元にしたワークショップを行い、帰国後のコースを行える人材を開発していければと思う。

 

3 活動事例の成功例・失敗例

クラスの試行錯誤あれこれ

 毎日試行錯誤しながらのクラス運営である。前回行った単語は、生徒主導でやろうとすると思った以上に時間がかかり、結局途中で挫折してしまった。次回は、あらかじめ作成した単語帳をもとにして、やっていく。

 発音は、最後の1ヶ月で一通りやり終えると、生徒自身も分かるくらいの変化が起きて、とても好評だった。やはりやり方が分かるって、はじめて練習が出来る。次回以降は、コースの最初に行い、やる前と後の変化を振り返れるような仕掛けをしたい。

 前回よりも人数が少なかったのもあり、1人1人を知ることが出来たり、個別に取り組む時間が多く持てたのはよかった。「自分の仕事」をテーマにしたプレゼンテーションなども、実際にこれから使えるものだとの声をもらった。

English Lunch から English Cafeへ

 最初は平日の昼に集まって、English Lunch をやっていたが、中々人が集まらない状況にあった。上記のように、協力してやれる人が見つかり、休日の午後に時間帯を変更し、facebookページやポスターを通して募集をかけたことにより、集客が行えるようになった。また内容も、充実したものになり、一緒に考えてやれる人がいることのよろこびを感じた。

困っているのは自分

  協力隊の活動は、「なくても困らないけれど、出来ればもっとよくなる」ことに取り組んだり、「これから」につながる芽をまいていくものだと感じた6ヶ月であった。そのために「こうしたい」という気持ちを抱いて、それが上手くいかないと困るのは自分だけだったりする。

 自分自身が困っているのに、勘違いして相手を「困っている人」にしてしまうと、自分が何に悩んでるのか、わからなくなってしまう。悩んだときは、相手ではなく「自分が困ってる」と自覚した上で、「どうしたいのか」「どうなってないから困ってるのか」をもう1度見て、それを周りの人にもう1度伝えてみることが大事だと思う。

 

4 受入国の人々の変化

”Made me brave! ”

 English cafe のアンケートにあった、"You made me brave!(おかげで勇気がもてた)" の言葉がとてもうれしかった。割とシャイな人が多いラオス人だが、授業やイベントを通して、英語で自分の考えを話している姿などを見れるのがやはり1番嬉しい瞬間である。

 事務所では、午前中はラオス語、午後は英語で話すように決めている。同僚の1人は、「もっと英語話したい!」と席を移動してきた。クラス内でも、事務所でも、英語で話すことが、もっとカジュアルで楽しいものになるように、貢献していければと思う。

「知ろうとしてくれるのが、嬉しい」

 先日活動先の飲み会で、「ラオス語を一生懸命勉強したり、色々な行事や文化を知ろうとしてくれてるのがすごく嬉しい」と言われた。私たちが何かを伝えるのも大事だが、ラオスの人たちやラオスに興味をもち、知ろうとすることが、何よりも喜ばれているなと感じる。 

 以前から、「日本語も教えて」と言われ、英語で手一杯だったのもあり断っていたが、1月末から週に1度、日本の文化紹介と日本語レッスンを混ぜたクラスを行う予定。活動先から、毎年日本へ研修へ行く人もいるので、その経験がより豊かなものになるようなレッスン、また日本のことを少しでも知ってもらう手がかりとなればと思う。

 

5 その他

タイ・バンコクにて精神保健関連施設の視察

 8月末に、日本福祉大学の先生達と一緒に、タイ・バンコク近辺の精神保健関連施設の視察を行った。主に見学したのは、薬物中毒者支援をしている寺院、タイ最古の精神科病院、コミュニティ支援を行っている寺院の3ヶ所。

 仏教が深く関わった、国の制度とは違う形で行われている支援や、当たり前のこととして支えあう姿を垣間見ることができた。ラオスで、「ソーシャルワーカー」として出来ることはまだ中々見つけられていないが、1月よりソムサンガリハビリテーションセンターでのボランティアを調整中である。

タイへ精神保健福祉(メンタルヘルス)の視察にいってきました。 

 

めこんでの対談企画

 隊員誌 めこんにおいて、「ラオスの昔・今・そしてこれから」というテーマで、ラオス人とJOCVの対談インタビューを担当した。シェンクワン・ビエンチャン・チャンパサックと、住む場所や年代も違うラオス人の話をゆっくり聞くことが出来た、大変よい機会となった。

【ラオスの戦争の跡に触れる】3泊4日のラオス北部・シェンクワン旅行のまとめ。 

【ラオス南部旅行ダイジェスト】バス旅、村の女性インタビュー、織物の島、世界遺産とすこしの怖い話。 

 

お茶会

  ラオスにて支援活動を行っているNGO IV-Japanの代表の方が主催で、9月にお茶会が行われ、お手伝い・お手前をさせていただいた。日本の文化の美しい部分がたくさん詰まった茶道を、ラオスでも共有することができ、有り難く思う。また機会があれば、是非協力できればと思っている。

【千里同風】ラオスでお茶会をしたら、ますます茶道が好きになった話。

 

 

 

これまでの報告書 

第一号

第二号

 第三号


デブ・ロイ:初めて言えた時/言葉がうまれる時【1日1TED 言語/語学】

バイディー(こんにちは)

言語テーマの今週最後のスピーチは、デブ・ロイの「はじめて言えた時/言葉のうまれる時」です。これまた、もの凄いスピーチです。

(原題:Deb Loy "The Birth of a Word") 

1. どんなスピーチ?

スピーカーのDeb Royは、認識科学者 (Cognitive scientist)です。MIT Labにて、子供の言語取得の過程や、人間のように話すロボットについての研究を行っています。

Deb は自身の息子が生まれてから、自宅の全室にビデオカメラとマイクを取り付けて、約3年間、25万時間 ( quarter-million )に渡って、自宅で起こった行動や話された言葉のを記録し続けました。

今までで作られた中できっと最長のホームビデオ全集 ( longest home video collection ever made )とも言える、この膨大なデータを元に、最新のデータ解析技術を用いて、赤ん坊がどのように言葉を学んでいくのかに迫ります。

スピーチの中で、実際に赤ん坊が "water"という言葉を言えるになる瞬間を音声で聞くという、ものすごく感動的な瞬間を体験できます。

 

2. スピーチの抜粋

 スピーチのはじまりは、こんな夢のようなイマジネーションから。

Imagine if you could record your life -- everything you said, everything you did, available in a perfect memory store at your fingertips, so you could go back and find memorable moments and relive them, or sift through traces of time and discover patterns in your own life that previously had gone undiscovered.Well that's exactly the journey that my family began five and a half years ago.

(もしあなたの人生を記録することが出来たら・・・と想像してみてください。あなたが言ったことや、やったこと全てが、完全な記憶としてあなたの手元に残るのです。それによって、いつでも思い出の瞬間に立ち戻って追体験する事が出来るとしたら。また、時間の流れを調べて、今まで分からなかった自分の生活スタイルのパターンが分かるとしたら・・・。
これは、まさに私たち家族が5年半前にはじめた試みなのです。)

 

想像のものかと思ったら、なんとテクノロジーの力で実現されていたのです!

1日8-10時間、家中で画像と音声を記録するという壮大な実験のはじまりです。その中で、ぜんぶで 700万もの言葉が録音されたといいます。

その言葉のデータを用いて、「言葉が生まれる瞬間」を再現します。

 

So you've all, I'm sure, seen time-lapse videos where a flower will blossom as you accelerate time. I'd like you to now experience the blossoming of a speech form. My son, soon after his first birthday, would say "gaga" to mean water. And over the course of the next half-year, he slowly learned to approximate the proper adult form, "water." So we're going to cruise through half a year in about 40 seconds. No video here, so you can focus on the sound, the acoustics, of a new kind of trajectory: gaga to water.

(皆さんは、時間を早送りにして、花が開花する瞬間を映したビデオを見たことがあると思います。今日は、”言葉が開花する瞬間”を皆さんに体験してもらいましょう。私の息子は、1歳の誕生日のすぐあとに、"water"を"gaga"というように口にし始めました。そのあと半年間に渡り、彼の"gaga"はゆっくりと大人が発音するような正しい "water"に近づいていきます。それでは、その半年間を40秒で体験してみましょう。画像はありません。それは、皆さんに音に注目してほしいからです。"gaga"から"water"へ、”新しい形の言葉の軌道”をどうぞお聞きください。)

 

これは何とも言葉に出来ないのですが、最初は"gaga"だったものが、少しずつ戻ったりもしながら、最後にパッと "water"になるのです。

何度も何度も繰り返して、大人の反応をみて、もう一度やってみて、やっと "water" になる。すごい。まさに、言葉が開花した瞬間です。

 

そして、この膨大な言葉のデータは色んな形で解析されています。別の疑問は、「それぞれの言葉は、どのタイミングで習得されるのだろう?」ということです。

それぞれの言葉が大人によって、赤ん坊の前で話された際の会話の長さを、会話の複雑さとして捉えてデータ化しました。そうすると、下向きの曲線があらわれるのです。

大人はまだ言葉を理解していない赤ん坊の前で話すとき、まず複雑な会話の流れでその言葉を使い、1度よりシンプルな会話の中で使い、また複雑な会話の中で使う・・・ということを無意識にしているそうです。

 

And what we found was this curious phenomena, that caregiver speech would systematically dip to a minimum, making language as simple as possible, and then slowly ascend back up in complexity. And the amazing thing was that bounce, that dip, lined up almost precisely with when each word was born -- word after word, systematically.

(私たちはとても興味深い現象を発見しました。赤ん坊の面倒を見ている大人たちは、自動的に言葉を出来る限りシンプルなものに1度置き換えるのです。そしてそのあと、ゆっくりとまた難しい表現へと戻るのです。この素晴らしい反動の瞬間が、まさに言葉が生まれる瞬間と一致しているのです。)

And the implications of this -- there are many, but one I just want to point out, is that there must be amazing feedback loops.

(つまり言葉の誕生の瞬間にはには、この驚くべきフィードバックループがあったのです。)

 

このような曲線の状況をフィードバックループ、と呼んでいますが、赤ん坊はこのループによって言葉を学んでいくと。

またその他にも、言葉とその言葉が使われる場所や、その状況のデータを集めて解析した結果なども紹介されています。

 

そしてこの研究は、家の中に限らず、社会上のメディアとそれに対する反応・使われている言葉などの繋がりの研究へとも繋がっています。

どんなコンテンツが、どんな言葉を生み出したり、引き出しているのか。また、その言葉がさらにどんな風に繋がっているのか。

実際のデータ解析の映像は、圧巻です。

 

 So, to summarize, the idea is this: As our world becomes increasingly instrumented and we have the capabilities to collect and connect the dots between what people are saying and the context they're saying it in, what's emerging is an ability to see new social structures and dynamics that have previously not been seen. It's like building a microscope or telescope and revealing new structures about our own behavior around communication. And I think the implications here are profound, whether it's for science,for commerce, for government, or perhaps most of all, for us as individuals.

(つまり、私たちの世界はどんどんと様々な機器につながってきていて、人々が何をいっているのか、それらがどんな文脈の中で使われているのかについての情報を集めて、それらの繋がりを見いだすことが可能になってきているのです。これによって、今まで見えていなかった、新たな社会的な構造やダイナミックスが浮かび上がってくるのです。これはコミュニケーションにまつわる私たち自身の行動を、覗き込むための顕微鏡を生み出しているようです。これらの発見は科学にとって、産業にとって、政治にとって、そしてきっと何よりも私たち個人にとって、深い意味を持つものだと思っています。)

 

テクノロジーが生活に密着している今。ものすごい量のデータが毎日、知らない所で集められています。そのデータを使うことによって、今まで知らなかった私たち人間や 社会の新しい姿が見えてくるのかもしれません。

スピーチの最後に、私たちはまた息子さんの思い出の場面に立ち会います。感動的、そしてほっこりするラストです。

 

3. 新しいことばたち

  • sift: ふるいにかける、精選する、精密に調べる
  • incandescent: 白熱の、まばゆいほどの、素晴らしい
  • unsolicited: 懇願されていない、要求をしないのに与えられた
  • (convert) this opaque: 不透明な、光沢のない、理解しがたい、不明瞭な
  • accoustic: 音の
  • "nail it!": (俗)〜をうまくやる、成功する
  • scaffolding: 足場(で支える)
  • semantic: 意味の、語義の
  • subset: 部分集合、一部

 

4. 感想

最初にこのスピーチを見た時、His speech really blowed my mind でした。データ解析とかよく分からないのですが、今もうこんなことが出来るんだって。すごい。。

前回紹介したこちらのスピーチなどでは、子供の脳、人間の中身を見ての研究について話されていますが、今回のスピーチは人から出た言葉や行動のデータを用いて、言葉が学ばれる過程を見ていきます。きっとまだまだこのデータを使って、色んな解析がされるんだろうなぁ。もっと解析結果知りたい!データの力に、圧倒されました。

そして、言葉の開花の瞬間、言葉が生まれるとき。この体験はすごいパワフル。ちょっと長いですが、是非体験してもらいたいです。

 

5. スピーチについて

Deb Roy: The birth of a word | TED Talk | TED.com

Event: TED 2011

Date: March 2011

Length: 19:45

ジャミラ・リスコット:私の3通りの英語の話し方【1日1TED 言語/語学】

バイディー(こんにちは)

11TED、語学・言語編。今日のスピーチは、ジャミラ・リスコットの「私の3通りの英語の話し方」です。

(原題:3 ways to speak English / Jamila Lyiscott)

1. どんなスピーチ?

教育者であり詩人でもある、Jamila Lyiscott。彼女は、African Disporaについての教育を専門にしながら、人種や教育に関するさまざまな活動を行っています。
"spoken-word essay"と評されるこのスピーチは、「”正しい”英語を話すこと」や「言葉とアイデンティティ」などについて考えさせられる、笑い、皮肉、怒り、希望が入り混じった、力強いものです。

 

2. スピーチの抜粋

スピーカーの Jamila は、家・教室・友達といるときで、かなり異なった英語の話し方をすると言います。それこそ、違う言語を話しているかのように。

世界中のたくさんの人がたくさんの場所で英語を話す今。英語は色々な言語や文化、歴史と交じり合っています。
"articulate” な英語を話すってどういうことなんでしょう?

この articulate というのも訳すのが難しい言葉だなぁ。訳では、”正しい”英語となっています。うんうん。Merriam webster では、

"express oneself readily, clearly or effectively." 

とあります。はっきりと発音したり、適切な言葉を用いて、明確に自分を表現することができる、と捉えます。

ここから、スピーチの抜粋です。

"Yes,  I have decided to treat all three of my languages as equals. Because I'm "articulate". But who controls articulation? Becase the English language is a multifaceted oration. Subject to indefinite transformation. Now you may thing that it is ignorant to speak broken English. But I'm here to tell you that even "articulate" Americans sound foolish to the British. (Laughter)"

(そう、私の3つの言葉をみんな、平等に扱おうと決めたのです。だって私(の英語)は”正しい”のですから。でも、一体誰が ”正しい"を決めるのでしょうか?英語は、とても多岐にわたる言葉で、ずっと変化しつづけています。ブロークンな英語を話すことは、無知なことだと思われるかもしれません。でも、”正しい”英語を話すアメリカ人だって、イギリス人にとっては馬鹿みたいに聞こえてるんですよ。(笑)) 

"So I may not always come before you with excellency of speech. But do not judge me by my language and assume that I'm too ignorant to teach. 'Cause I speak three tongues. One for each: Home, school and friends. I'm a tri-lingual orator. Sometimes I'm consistent with my language now. Then switch it up so I don't bore later. Sometimes I fight back two tongues. While I use the other one in the classroom. And when I mistakenly mix them up, I feel crazy like... I'm cooking in the bathroom." 

(私はいつも素晴らしい言葉で、あなたの前で話していないかもしれません。でも、言葉だけで私のことを判断したり、人に教えられない無知な人だと思わないでください。だって私は、3つの言語が話せるのですから。家、学校、そして友達と、それぞれの場所でそれぞれ違う言葉を持っているのです。そう、3つの言葉の使い手なんです。

時には、今みたいに一貫性を持って話すこともあれば、飽きないように言葉をスイッチしてみたり、2つの言葉で言い返すことだってあります。そうしてもう1つの言葉を、教室の中では使います。間違えて、違う場所で違う言葉を使ってしまうときは、トイレの中で料理しているようなおかしな気持ちになります。)

 

”ブロークン”英語って、言われてみれば、「壊れた」「かけた」英語ってことなんでしょうか。言語に、「基準」「標準」はあるのかもしれませんが、優劣なんてないはず。

 

"And the reason I speak a composite version of your language is because mines was raped away along with my history. I speak broken English so the profusing gashes can remind us that our current state is not a mystery. 

 (私が、あなたの言葉の組み合わせたようなバージョンの言葉を話すのは、私たちの言語は歴史上、奪いさられてしまったからです。私はブロークンな英語を話しています。そしてこの大きな傷は、私たちの今の状況が必然であることを思い出させます。)

How can you expect me to treat their imprint on your language as anything less than equal. Let there be no confusion. Let there be no hesitation. This is not a promotion of ignorance. This is a linguistic celebration. That's why I put "tri-lingual" on my last job application. (Laughter) "

(どうして、私たちの言葉が、あなたたちの言葉よりも劣っていると考えられるでしょうか。誤解をしないように。ためらったりしないで。これは、無知であることをすすめているのではありません。これは、言葉にとって喜ぶべき、褒めたたえるべきことなのです。だから、私は前回出した履歴書に、「3カ国語が話せます」と記載したのです。(笑))

 

 " tri-tongued orator (3つの言語の話し手)"であることを誇りに思う、と。どの”言語”を使っているときだって、"I'm articulate." だから。 

 

3. 新しいことばたち

  • shell where my soul dwells: 言葉通りに訳すと、「私の魂が宿る貝殻」。彼女の肌・肌の色のこと。
  • enunciation: 発音の仕方。宣言。
  • diction: 言葉使い、言い回し。
  • "What's good with you?":  "How are you?"的に使われる。 
  • multifaceted:(宝石など)多面体の、多岐にわたる
  • suburbia: 郊外
  • composite: 各種の要素からなる、合成
  • profuse: 気前のよい、たっぷりの、惜しみない
  • gash: 切り傷、割れ目、(比喩)女性
  • nonsensical: ばかげた
  • imprint: 刷り込まれた、印象を与える、影響を及ぼす

 

4. 感想

このスピーチは、自分の中に入ってくるまでに時間がかかって、何度も見直しました。

個人としては、英語を教えるようになって、"articulate"な英語を話すことへのこだわりというか、それが出来ないことへの恐れが自分の中にあるのを強く感じている、1年半で。「日本人が話す英語」「本物じゃない英語」というような、変な気持ちがまだまだあります。(やーだわ)スピーカーとは違う形ですが、"articulate"であることにとらわれている気がします。

オンライン英会話をやっているのですが、そこでジャマイカの先生と話をしていて、公用語は英語(ジャマイカ英語)ということを始めて知り、「自分の母語は英語に”吸収”されてしまったのよね」というようなことを話されていました。

私たちは、日本語っていう母国語があって、英語は第2ヶ国語として使っています。
でも、たとえばジャマイカの人たちによっては、自分たちの母語であるジャマイカ英語が、「本物の英語に比べて劣っている」「ブロークンの英語だ」と言われたら、そういう態度をとられたら、どんな気持ちなんだろう。

 ラオスにいて出会う外国人。ラオス人、フィリピン人、フランス人、ドイツ人、韓国人、中国人、スペイン人、タイ人、スリランカ人・・・みんな英語で話すけれど、みんなアクセントはぜんぜん違う。

"articulate" であること。自分の気持ちや相手に伝わること。自分の話す言葉や話し方を、卑下しないこと。 うん、まとまりませんが、深いスピーチです。

 

5. スピーチについて

Jamila Lyiscott: 3 ways to speak English | TED Talk | TED.com

Event: TED Salon NY 2014

Date: Feb 2014

Length: 4:29

 

彼女のスピーチを紹介している、TEDの記事です。

ジェイ・ウォーカー: 世界の英語マニア【1日1TED 語学/言語】

バイディー(こんにちは)

今日のスピーチは、 ジェイ・ウォーカーの「世界の英語マニア」です。

(原題:Jay Walker "The world's English mania")  

1. どんなスピーチ? 

発明家・起業家であるスピーカーの Jay Walker。彼の活動は、本当に多彩で多岐に渡っていて、「新時代のエジソン」と呼ばれているとかいないとか。

彼が個人でやっている、"Library of Human Innovation(人類の発明ライブラリ)"の様子がもう1つのTEDでのスピーチであって、こちらも面白いです。

 

こちらのスピーチでは、今の世界の英語学習の様子を伝えながら、英語が世界で果たす役割とはなにか、ということを話しています。

4分半のとても短く分かりやすいスピーチで、教材としてもよく使われているので、見たことがある人も多いかもしれません。
英語を勉強する人は、ぜひ1度みてほしいスピーチです。

 

2. スピーチの抜粋

まずは、タイトルの英語マニア。”マニア”という言葉について、少し見てみます。

mania: "an extremely strong desire or enthusiasm for sth, often shared by a lot of people at the same time. (OALD) "

(何かに対する、非常に強い願望や熱狂。多くの場合、同時に多くの人によって共有されている。)

 

mania は熱狂する気持ちそのものを指す言葉ですが (eg. he has a mania for gambling。人のことは maniac)、 locomotive mania (旅行狂)、sports mania (スポーツマニア)のようにも使うみたいですね。

世界には、Beatlesマニアやサッカーマニアなど、たくさんのマニアが存在してきました。今、あたらしく世界中に出現しつつあるマニアは、「英語学習マニア」( mania for learning English)

少し極端な例かもしれませんが、中国でおびただしい数の学生が、先生に続いて、英語を screaming (叫び)ながら、勉強している姿が紹介されています。

 

歴史上で、1番英語が世界中で勉強されている今。世界中で英語を学習している人は、なんと20億人にのぼるそう! (2 billion people) わお!

なぜ英語なんでしょう?なんで私たちは英語を勉強しているんでしょうか?

 

Why English? In a single word: opportunity. Opportunity for a better life, a job, to be able to pay for school, or put better food on the table. Imagine a student taking a giant test for three full days. Her score on this one test literally determines her future. She studies 12 hours a day for three years to prepare.Twenty-five percent of her grade is based on English.

(なぜ英語なんでしょうか?一言で言うならば、「機会(チャンス)」です。よりよい人生、仕事のため、学校のためのお金を払うため、もっとよい食べ物を食卓に並べるためです。3日まるまるかけて巨大な試験に取り組む学生を想像してください。その試験の結果が、言葉通り彼女の未来を決めるのです。彼女はこのテストのために、3年間、1日12時間勉強するのです。試験の25%を英語が占めています。)

 

ここではまた、中国での例が出されています。

英語が使えると、より良い機会に恵まれる。たかが言語、なのかもしれない。
でも社会・国によっては、英語が喋れるか喋れないかで、将来が大きく変わってくる。

 

English is the world's second language. Your native language is your life. But with English you can become part of a wider conversation -- a global conversation about global problems, like climate change or poverty, or hunger or disease. The world has other universal languages. Mathematics is the language of science. Music is the language of emotions. And now English is becoming the language of problem-solving. Not because America is pushing it, but because the world is pulling it.

(英語は、世界の第二カ国語です。あなたの母国語は、あなたの生活の言葉です。しかし、英語によってさらに幅広い会話への参加が可能になるのです。例えば、気候変動や貧困、飢餓、疾病など、世界規模の課題に関する、世界規模の会話です。世界には、他にも普遍的な言葉が存在します。数学は科学の共通言語ですし、音楽は感情の共通言語です。英語は、問題解決のための言葉になりつつあります。アメリカがそれを後押ししているのではありません。世界がそれを求めているのです。)

 

「英語は、問題解決のための言葉になりつつある。」

これはとても希望のある言葉だと思います。英語で、全てのことを完璧に話せるようになる必要はないかもしれない。そして母国語よりも、英語が大切にされるのもちょっとナンセンス。

だけれども、英語で世界の色んな人とコミュニケーションが取れるということは、とても希望のあること。もっと多くの人と、多くのことが共有できる。思いを交わしあうことができる。

 

Like the harnessing of electricity in our cities, or the fall of the Berlin Wall, English represents hope for a better future -- a future where the world has a common language to solve its common problems.

(街に灯がともるように、またはベルリンの壁の崩壊のように、英語はよりよい未来への希望をあらわしているのです。共通の課題を解決するための、共通の言語が世界に存在している未来です。)

 

もっと多くの人が、第二カ国語として英語が話せるようになったら、もっともっと一緒に言葉を交わせる人が増える。世界のどこへいっても、コミュニケーションがとれる。

そう思うと、確かにとてもわくわくします。

 

3. あたらしい言葉

  • mania:マニア・熱狂、躁病(manic disorder) 
  • pandemonium: 大混乱、無秩序
  • rapture: 狂喜、歓喜

 

4. 感想

TEDの他の語学・言語に関するスピーチを見ていると、「英語が全てじゃない」「他の言語も大事にしよう」みたいな内容のスピーチが結構多かったのです。

確かに、英語は全てじゃないし、英語に力を入れすぎる偏った教育などで、よくない影響もあるのかもしれませんが、私はこのスピーカーのいうように、多くの人が英語を話せる未来は、とても希望のある未来に思えます。

ラオスでも、一昔前はフランス語が第2カ国語として学ばれていましたが、今ではすっかり英語が第2カ国語になっています。

大人も子供もみんな、「よい機会」を求めて、英語を学んでいる人・学びたいという人が本当に多いです。

テストや、英語圏の文化に引っ張られすぎずに、自分たちの暮らしや文化を大切にしながら、コミュニケーションや夢の実現のための英語を身につけられるといいなぁ。

 

5. スピーチについて

Jay Walker: The world's English mania | TED Talk | TED.com

Event: TED 2009

Date: Feb 2009

Length: 4:24

過去のブログを読み返してみること。

https://www.instagram.com/p/BNlV2A6gS-F/

Start here.

1年前の自分が考えてたことって、覚えてますか?
うん、5年前は?自分が高校生のとき、中学生のときは?

少し煮詰まるところがあって、なかば強引に家を離れ、「一人合宿」という名で引きこもってきました。

まずは、自分の前のことを振り返る、ということで、昔書いていたブログやmixiを見返してみたのですが、これがおもしろかった。

高校一年のときからずっと書いてました、ブログ。約8年前のもの。
しかも結構な頻度で書いてる。
別のブログをさかのぼるまで、存在すら忘れてました。

そのブログにも、「移転」とか書いてるから、たぶんその前から書いてたんだな。どこいったんだろう(笑) どこかにのこって…ると思うとちょっと怖い。

まぁ内容は、恥ずかしい恥ずかしい。もう読んでて声に出して笑っちゃう。個人的すぎる話ばっかりだし、個人情報とかおいおいだし、もう突っ込みどころ満載。
そんな内容なのに、今よりもアクセス数が多かったらしい。まじか(笑)

今読むと、書いていることくさいし、青いし。時にポエミーで、自分に酔ってたりもして、穴掘って入りたくなる(笑)

ファッションのことばっかり考えたり、(古着っこになりたかった。モード学園入学したかった)髪型をいかに面白くするかに一生懸命だったり(エクステ、刈り上げ、金髪)、めちゃくちゃ服や小物を買うのにお金使ったり。柄タイツ一足に2400円ってなに考えてたんじゃーーーー!!!

友達のことを親友、だいすき!ってやたら書いてたり、色んなことをすぐ好き!ってこんな言えてたんだなぁ。

いやー美味しいもの食べること以外なんもかんがえてないなー と思えば、急に意識が高くなった一時期は、がつがつしすぎてて、ひぇーってなるし。

今とまったく違うことをいってたり、今と同じようなことを悩んでいたり。

鮮明に覚えている場面もあれば、だいたい「そんなことあったっけ?」ってことも結構ある。

やれるようになりたいって書いてたことが、気付いたら叶っていたり。

あの頃は、そんなこと中々出来ないだろうなぁと思ってたことを、今は当たり前にやっていたり。

自分が思っていたよりも、ずっと変わってる部分。
あのときから変わってない部分。
当たり前だけれど、どっちもあるね。

いや、でもすごく今以上に焦っていて、色んなことに突っ込んで、やってみて、失敗したり。

ああ、頑張ってたんだなぁ。恥ずかしいくらい馬鹿みたいに素直に正直に書きすぎ。
たぶんきっと、もうあんな風な文は書けないと思う。

そう思うとちょっと羨ましかったり。mixiが流行ってたのもあって、友達から愛のあるコメントもいっぱいもらってたんだなぁ。
改めて読んで、すごく色んな人に会いたくなった。

 

こーーんなに、昔書いてたことって、考えことって、話してたことって忘れちゃうのかって驚いた。記憶って不思議だ。

読み始めると、結構夢中になって読んでたけれど、あとからどっと疲れました。
感情と時間がジェットコースターのようにぐるぐると廻ったからな

 

でも書いてくれてたから、こうやってまた出会えた。
書いてなかったら、ほんと全部忘れてしまってたかも。

そう思うと、書いてくれて残してくれてありがとう。
不安ながらもがむしゃらに頑張ってくれてて、ありがとう、とも思いました。

 

今回顔から火が出そうになりながらも、すごくパワーをもらいました。

そして今でもこうやって、懲りずにブログ書いてます。
仕事をしていた3年間はブログは書かずに、その頃からノートに書くようになって、また協力隊になってはじめて。

きっと今こうやって書いてる文章も、何年後かに読んだら、きぇぇえーーー恥ずかしい!って思うんだろうな。笑

なんだか既にもう恥ずかしい。

といいながら書く、という。

 

ふしぎだなーーーー

なんだろうなーーーーー

 

私がブログを書くのは、みんなが自撮りをして、facebookにアップロードするようなもんなのかな。

と、昔の自分に触発されて、こんな風につらつらと書いてみました。

ブログっていう形じゃなくても、一言だけでも、その時にやったことや、思ったこと、感じたこと、考えたことって、やっぱ残しておいた方がいいと、私は思うんです。

自分のために。

https://www.instagram.com/p/BNlVgz0A6pM/

Strong morning

死んだら、勝手に爆発してくれるように、次元装置とか、つけておきたいけど。笑

おしまい。

 

 

パトリシア・クール「赤ちゃんは言語習得の天才」【1日1TED 語学/言語】

 サバイディー(こんばんは)

1日1TEDの時間です。今週のテーマは「言語/語学」。

今日は、パトリシア・クールの「赤ちゃんは言語習得の天才」をご紹介していきます。

(原題:Patricia Kuhl: The linguistic genuius of babies ) 

1. どんなスピーチ?

「外国語を習うなら、赤ん坊の時に始めた方がいい!」「言語の臨界期を超えたら、バイリンガルになるのは無理」など、年齢と外国語学習・言語習得の関係性は、よく語られているけれども、何が本当なのかよくわからないところ。

スピーカーの Patricia Kuhl は、幼少期における言語習得と脳の発達の研究において、世界的に著名な研究者です。

そんな彼女が、言語取得の第一の臨界期である8-10ヶ月目の赤ん坊を対象にした様々な研究の結果とともに、なぜ赤ん坊は言語取得の天才であるのかを語っています。

 

2. スピーチの抜粋

まずは、よく見たことのある、年齢と言語習得の関係性を表したグラフが出てきます。

What we see here is a mother in India, and she's speaking Koro, which is a newly discovered language.And she's talking to her baby. What this mother -- and the 800 people who speak Koro in the world --understands is that, to preserve this language, they need to speak it to the babies. And therein lies a critical puzzle. Why is it that you can't preserve a language by speaking to you and I, to the adults? Well, it's got to do with your brain. What we see here is that language has a critical period for learning. 

(こちらはインドのある母親です。彼女は、つい最近知られる事になったコロという言語を、彼女の赤ん坊に向けて話しています。彼女や、コロを話す他の800人の人々は、言葉を継承していくためには、赤ん坊に話しかける必要があるということを知っています。

ここに、重要な謎が隠れています。なぜ言葉を継承するために、私やあなたのような大人に話しかけるのではなく、赤ん坊に話しかけるのでしょう?それは、脳との関係があります。このグラフに表されているのは、言語学習の臨界点を表したものです。)

The babies and children are geniuses until they turn seven, and then there's a systematic decline. After puberty, we fall off the map.No scientists dispute this curve, but laboratories all over the world are trying to figure out why it works this way.

(7歳になる前の赤ん坊や子供たちは、みんな言語習得の天才なのです。7歳を過ぎたあとは、その才能は次第に衰えていきます。思春期を過ぎると、もうこのグラフ上から消えてしまいます。このグラフについて、異論を唱える科学者はいませんが、世界中の研究所が、どうしてこのようになるのかを究明しようとしています。)

 

このグラフ、何度見てもちょっと落ち込みます。。。ここから、言語取得の第一の臨界期である8-10ヶ月目の赤ん坊を対象にした研究の具体的な説明に入っていきます。

赤ん坊に色々な言語の音声を聞いてもらって、音が変化したところで反応してもらう実験を世界中でした。その結果によると、私たちはみんな生後 7ヶ月までくらいは、「自分の言語」を決めずに、どんな言葉の音でも平等に聞き分けることができると。

 

Well, babies all over the world are what I like to describe as "citizens of the world." They can discriminate all the sounds of all languages, no matter what country we're testing and what language we're using, and that's remarkable because you and I can't do that. We're culture-bound listeners. We can discriminate the sounds of our own language, but not those of foreign languages. So the question arises: When do those citizens of the world turn into the language-bound listeners that we are? And the answer: before their first birthdays.

(世界中の赤ん坊のことを、私は「グローバル市民」と呼びたいです。世界中の国でどの言語を用いて実験を行っても、赤ん坊は全ての言語の全ての音を聞き分けることができます。これはもの凄いことだと思います。私たち大人には不可能なことです。私たちは、「文化に縛られた聞き手」であり、自身の言語は聞き分けることができても、他の言語は聞き分けられないのです。そこで疑問がわいてきます。いつ「グロバール市民」は、私たちのような「文化に縛られた聞き手」になってしまうのでしょうか?

答えは、最初の誕生日を迎える前、です。)

 

だけど、その後8ヶ月から10ヶ月のころから、自分がこれから使うであろう言語を判断し、その言語の情報を集めていくのです。

実験の中では、英語圏の赤ん坊と日本の赤ん坊の比較もされています。英語では r と l の使い分けは大事なので、たくさんその音を拾って集めていきますが、日本語のら行の音は英語の r と l の間のようなあいまいなもの。つまり、r と l の違いは日本語にとって重要な情報じゃないし、日常で使われていない。

だから、赤ん坊もその r と l の音のちがいの情報は取り込まず、どんどんその音を聞き分けるのは難しくなっていく。必要なものだけを、取り込んでいって、他の情報は切り落としていくんだなぁ。

 

So babies absorb the statistics of the language and it changes their brains; it changes them from the citizens of the world to the culture-bound listeners that we are. But we as adults are no longer absorbing those statistics. We are governed by the representations in memory that were formed early in development.

(赤ん坊たちは、言葉の統計にどっぷりと浸かり、それにより脳が変化を受けます。「グローバル市民」から「文化に縛られた市民」になるのです。大人になったあとは、このような言葉の統計に浸かることがなくなるからです。私たちは、初期の成長期から引き継がれた記憶によって、言葉を解釈しているのです。)

 

赤ん坊の頃のとても短い期間で、自分が生きてくために必要な音を判断して、その情報を脳に吸収して、その情報をその先何年もずっと使っていくのかぁ。

8 - 10ヶ月の頃がとくにこの音声の情報を集める期間になっているらしく、この間に取り込んだ音声は、 それまでの期間でずっと得て来た情報量と同等かそれ以上に値すると。

その他にも、その音声の情報もオーディオだけや TV上では取り込まず、生身の人からの情報でないとあまり効果がないとの結果もでています。

技術も進化していて、赤ん坊の脳の動きを見られる装置での実験も行われていたりと、まだまだ未知の部分はあるけれど、どんどん言語取得と脳の発達の関係の研究はこれから進んでいく。

 

"In investigating the child's brain, we're going to uncover deep truths about what it means to be human."

(子どもの脳について研究していくことで、人間であるというのはどういうことか、深い真理を解き明かそうとしているのです。)

 

こんな言葉で、スピーチは締めくくられます。 

 

3. 新しい言葉たち

  • celestial: 天空の、天上の(この世のものとは思えない程すばらしい)
  • puberty:  思春期、年頃の
  • lap: ひざ、安楽な場所、責任(比喩)

 

4. 感想

前に、共感覚について調べていたとき、「赤ん坊のときは感覚も全部つながっていて、大人になるにつれてどんどん効率よく働くように、カテゴリを作り出して、そこに当てはめるようになっていく・・・」という話を聞いた気がします。

言葉も、自分が使う音だけを聞けるように、こんなに小さいときに選んでるんだなぁ。

大人になってから、自分が聞き分けられない音を聞き取れるようになるには、人工的にその音をたくさん聞いて、情報を後天的に入れるようにするしかないのかなぁ。

言語における音声って重要な部分だもんなー。

その期間に音声の情報が入ってたら、そのあと話す機会がなくても、音声の情報は残るのかなぁ。これから、研究が進むにつれて分かることが増えていくんだろうなぁ。

そしたら、外国語学習の方法も変わってくるのかな。とても気になるトピックです。

 

5. スピーチについて

Patricia Kuhl: The linguistic genius of babies | TED Talk | TED.com

Event: TEDx Rainier 

Date: October 2010

Length: 10:10 

ジョン・マックフゥーター:新しい言語を学ぶべき4つの理由【1日1TED:語学】

バイディー(こんにちは)

1日1TEDは、1週間に5回更新することにしました。ほぼ1日1TED、週休2日制です。先週1週間は、「習慣」をテーマにしたスピーチを見てきました。
今週は「語学」「外国語」をテーマにしたスピーチを取り上げていきたいと思います。

1日目の今日はジョン・マックフゥーターの「新しい言語を学ぶべき4つの理由」です。

(原題:John McWhorter "4 reasons to learn a new language")

1.   どんなスピーチ?

言語学者 (linguist) であり、TIMEなどの著名な雑誌などで言語についてのコラムを書いている Jogn Macwhorterが今回のスピーカー。うん、独特な話し方。目が強い。

世界的にどんどん英語を勉強する人、英語を話す人が増えていて、それに加えて翻訳機の性能も年々上がっている。英語がどんどん「グローバル言語」になりつつある今、なぜ他の外国語をわざわざ学ぶのか?そんな問いに、4つの答えを与えてくれています。

 

2.  3つのお気に入り

 まずは冒頭部分。スピーチの主題です。

Why should we learn foreign languages -- other than if English happens to be foreign to one? Why bother to learn another one when it's getting to the point where almost everybody in the world will be able to communicate in one?

 (なぜ私たちは、外国語を学ぶべきなのでしょうか?もし英語があなたの外国語でなければ・・・ですが。なぜ1つの言語、つまり英語でコミニュケーションが可能になりつつあるのに、わざわざ別の言語を学ぶのでしょうか?) 

 

ちなみにたまに「話す言語によって、あなたの考え方が変える」 というような事もたまに言われていますが、スピーカーはそこは反対意見のよう。同じ言語を違っていても、全然共通点ない人たちもいるでしょって。うん、まぁそれはそうか・・・?

 

ここから本題。外国語を学ぶ理由の一番最初に、文化の中に溶け込む、本当に入り込むには、ある程度の語学の取得が不可欠だと語ります。

If it isn't going to change the way you think, what would the other reasons be? There are some. One of them is that if you want to imbibe a culture, if you want to drink it in, if you want to become part of it, then whether or not the language channels the culture -- and that seems doubtful -- if you want to imbibe the culture, you have to control to some degree the language that the culture happens to be conducted in. There's no other way.

(もし外国語を学ぶことが、あなたの考え方を変える訳でないならば、何か別の外国語を学ぶ理由があるのでしょうか? はい、いくつかの理由があります。

まず1つ目は、異なる文化を吸収するために、本当に理解して、その一部になりたいのであれば、その文化が行われている言葉をある程度理解しなければいけません。言語が文化を伝えている、という説は疑わしいところもあるのですが・・・それ以外に方法はないのです。)

"imbibe a culture" ! うんうんうん、これはラオスに来てものすごく実感しています。言葉の中に、色々な Context が埋め込まれているんだもん!

彼的にも、1番の理由が一押しの理由らしく、それ以外の理由は割とあっさりと話していきます。ここでも、まとめてご紹介。

Second reason: it's been shown that if you speak two languages, dementia is less likely to set in, and that you are probably a better multitasker.

(2つ目の理由として、あなたが2国語の話者であるならば、認知症の発症がおくれることを挙げます。そして、きっと2つ以上のことを同時に行うスキルも高いはずです。)

And then, third -- languages are just an awful lot of fun. Much more fun than we're often told.

(そして3つ目ですが、言語というのは、純粋にものすごく楽しいです。今まで言われてきたよりも、ずっとずっと面白いものなんです。)

And more to the point, we live in an era when it's never been easier to teach yourself another language.

(そしてさらに、今私たちは、今までかつてなかった程、外国語の勉強を自習できる時代に生きているのです。) 

 

新しい言語を学ぶべき4つの理由とは、

  1. 文化を本当に理解するのに不可欠だから。
  2. 脳にいいから。
  3. 言語って楽しいから。
  4. 今は、簡単にどこででも外国語を学べる時代だから。

ざっくりまとめると、これらが"This is what a language can do to you." スピーチ内で語られた「新しい言語を学ぶべき理由」でした。

 

3. あたらしい言葉たち

  • acid trip:LSDによる)幻覚の体験
  • fraught: (よくないことに)満ちて、困った、心配な
  • imbibe: (酒等を)飲み干す、(知識や思想などを)受け入れる、吸収する
  • husks of oneself:husk が、殻や皮。
  • skrim curtain:
  • tingle:うずうず、ぞくぞく、ひりひり、ちくちくする感じ・痛み
  • bakes's sound vowel
  • schooch
  • ooze: (隙間などを通って)流れ出る、にじみでる
  • bees in a hive:hive が、ミツバチの群れ・忙しい人が集まっている場所

 

4. 感想

ここまで書いてきてあれなのですが、今回のスピーチはあんまり目新しいことを言うでもなく、ちょっと期待はずれというか、あんまり面白くなかったなぁ。

私自身は言語を学ぶのが好きだから、すごく「そうそう!」と思うこともあったけれど、多分もともと言語に興味ない人は「へーー。で?」って感じなんじゃないかな。どうなんでしょう。外国語学んで「ほーーー!おもしろい!」って感じるかどうかって結構人によるんだろうなぁ。まぁどんな科目やトピックでもそうかもしれないけれど。

このスピーチを見て、「よーし、外国語学んでみるかな」と、動かされる感じはないかも?

でも、1番最初の「文化にとけ込むため」というのはすごく感じていることで、それを ユニークな言葉遊びを使って表現しているのは、面白かった!

 

5.  スピーチについて

John McWhorter: 4 reasons to learn a new language | 

Event:  TED 2016

Date:  Feb 2016

Length: 10:01