2月のみかづき。

【ラオス年越し】大晦日は、タートルアンで光に包まれて。

バイディー!ラオスからこんにちは。
今日は、大晦日をタートルアンで過ごしたときのことを、写真と一緒に振り返ってみます。
f:id:mikachanko4281196:20170103105639j:plain
 

「インターナショナルニューイヤー!」

ラオスのお正月は、仏暦にともない4月中旬に祝われるのですが、1月1日も、最近は「インターナショナルニューイヤー」ということでお祝いするようになっています。
ビエンチャン市内では、各種カウントダウンイベントが行われたり、それぞれの家でパーティーをしたり、祝日として定着しつつあります。
市内も、新年に合わせて(?)ライトアップ

https://www.instagram.com/p/BOtG9UdArvF/

今回は友達のお家でのパーティーに行くか、同僚の子とタートルアンで過ごすか当日の午後まで悩んだのですが、同僚の子ともっと仲良くなりたいし、去年もタートルアンが綺麗だったので、タートルアンにで過ごすことに!
 
18時すぎに待ち合わせして、同僚の子と友達と合流します。御座で場所取りをしてくれていました。もう既に人がいっぱい!心なしか若い人が多い。
髪を結わく、白いリボンがかわいい。
f:id:mikachanko4281196:20170103105645j:plain
 
この後はあんまり食べれないかも、ということで、すこし腹ごしらえ。
いつものクレープ屋さんで、今年最後のご飯。

f:id:mikachanko4281196:20170108205311j:plain

  
ろうそくや、供え物、白い服などを売るお店も出ています。

https://www.instagram.com/p/BOtHIxxgdfc/

 

白い服に着替えて、ろうそくを灯して、準備完了。皆セルフィー撮りまくり。

f:id:mikachanko4281196:20170105162836j:plain

説法は、19時半頃から始まりました。
手を合わせて、一緒に唱えたり、瞑想をしたり。説法の言葉は、学校で、習うとこもあれば習わないところもあるそう。
あとは、お寺に行くからなんとなく知っているけれど、覚えてはいないな〜と、一緒に行った子たち談。
f:id:mikachanko4281196:20170103105647j:plain
f:id:mikachanko4281196:20170103105648j:plain
 
パーリー語の説法が書かれた冊子が配られるので、それを見ながら一緒になんとなく(すみません)読んだりしてみます。
パーリー語の読み方が、ラオス語で書いてあります。
f:id:mikachanko4281196:20170103105653j:plain
説法きれいだったなぁ。
パーリー語は日本語に音が似ている気がする。
 
20分くらい説法があって、そのあと20分ほど休憩。それを繰り返していきます。
配られた豆乳を飲みながら、おしゃべりしたり。おしりいたいので、ねころんで休憩したり。
お参り(?)セット。

f:id:mikachanko4281196:20170103105652j:plain

f:id:mikachanko4281196:20170103105654j:plain

 
今年も、のほほんとお坊さんたちのMC。お坊さんが、サバイディーピーマイ(明けましておめでとう)って言っていいのかい!と笑いがおきる。
 
説法を聞きながら、花火の音が色んな方向から、ずっと聞こえてきます。お金持ちの家で、個人でぼんぼこ打ち上げているらしい。
 
今年は、途中から雨が降り出しました。(最近降ってなかったのに、この日に限って!)雨が降ったり止んだりする中、傘を順番にさし合いながら、つづいていきます。うとうとしているうちに、12時が近づいてくる。
 
新年を迎える瞬間は、新年を迎える説法を読みながら。12時になった瞬間には、声は出さないけれども、皆○で「カンカンカンカン」と一斉に音を立てて祝いました。
 
 
本来は朝まで続いて托鉢をして帰る予定だったですが、今回は雨がやまないので、1時ころに解散になりました。最後にお寺にお金を寄付。お寺の修復費用に使われるそう。
f:id:mikachanko4281196:20170105162852j:plain
 
そして木の根元に、水をかけて、帰ります。
f:id:mikachanko4281196:20170103105658j:plain

f:id:mikachanko4281196:20170103105656j:plain

f:id:mikachanko4281196:20170103105657j:plain

今年はなんだかあっという間だったなぁ。
はじめて雨の中で迎えた新年でした。「慈雨」。ろうそくの光に包まれて、のんびりと過ごしました。
 

後日談:意外な開催の理由とは?

こんな感じのタートルアンでの年越しだったのですが、後日このお寺での年越しについての記事を発見。

f:id:mikachanko4281196:20170108194334j:plain

読んでみると、
".... with the aim of reducing the number of people attending parties where large amounts of alcohol are consumed." ( これらの催しは、大量のアルコールが消費されるパーティーに参加する人を減らすことを目的として、行われている)と。
 
 
え?そうだったの?
 
 
知り合いのお坊さんに聞いてみると、「本当だよー」との答え。
普段から毎月ワンシン(満月)の日には、夜通しお寺で説法は行われているのですが、12月31日の大晦日にやるのは最近 (2013年) 始まって、首都のビエンチャン以外でも同じような催しを行うように呼びかけている所なんだとか。
 
特別な時じゃなくても、飲酒運転が当たり前に行われているラオスですが、特にこのカウントダウンの時期は、事故が多発しているよう。おととしの12月29日から1月2日の5日間で、全国で137件の事故があったそうです。
おととし1年の件数は、5,935件なので、うーん、そう考えると多い。
 
確かにラオスでの年越しは、パーティーくらいしか選択肢がないので、お寺で過ごせるようになったら、多くの人が参加するだろうなぁ。結果的に交通事故も減る。
意外な開催理由でしたが、グッドアイディアですね。
 
また来たいな。

f:id:mikachanko4281196:20170103105642j:plain  

 

 

前回の年末年始。 


 

【ほぼ1日1TED】アンジュリア・ダス:あらゆる色の肌に宿る美しさ

バイディー!ラオスからこんにちは。

今週は、"How we can be better going foward in 2017" (よりよく2017年を過ごしていくために) というプレイリストからスピーチを紹介しています。

今日のスピーチは、アンジュリア・ダスの「あらゆる色の肌に宿る美しさ」です。タイトルの日本語訳もうつくしい!

(原題:Angellica Dass "The beauty of human skin in every color") 

 

1. どんなスピーチ?

あなたの肌の色は、「何色」ですか?

スピーカーは、ブラジル出身の写真家 Angellica Dass。彼女は、自身の経験や疑問から"humanae"というポートレイト プロジェクトをはじめます。

"document humanity's true colors" するために、13カ国の19の街で、3,000人以上の写真を撮りました。彼女の個人の物語からはじまったプロジェクトが、人々がもつユニークな肌の色を敬い、祝福する大きなプロジェクトとなっていきます。

 

2. スピーチの抜粋

まず自分の「カラフル」な家庭について、スピーカーが話します。

I was born in a family full of colors. My father is the son of a maid from whom he inherited an intense dark chocolate tone. He was adopted by those who I know as my grandparents. The matriarch, my grandma, has a porcelain skin and cotton-like hair. My grandpa was somewhere between a vanilla and strawberry yogurt tone, like my uncle and my cousin. My mother is a cinnamon-skin daughter of a native Brazilian, with a pinch of hazel and honey.

(私は、たくさんの色に溢れた家庭に生まれました。メイドだった祖母から、とても濃いチョコレート色の肌を引き継いだ父。父は養子になりました。母家長である祖母は、陶器のような肌と綿糸のような髪の持ち主でした。祖父の肌は、叔父やいとこと同じ、バニラと苺ヨーグルトの中間のような色。ブラジル出身の母は、少しのはしばみ色とはちみつ色が混じった、シナモン色の肌をしています。)

こんな風に肌の色を表現できるなんて!それにしても美味しそうだ・・・

そんなカラフルな環境に生まれた彼女にとっては、「肌の色がちがうこと」は当たり前のことで、特に気にしていなかったと。でも家の外に出てはじめて「肌の色がちがうこと」が、人が人をどのように見るのかに大きな影響を与えていることを知ります。

彼女がスピーチの中で述べている、肌の色にまつわるエピソードは、「いまだにそんなことを言われるの?!」とびっくりすることばかり。

スペイン人と結婚することにより、肌の色について、周囲から尋ねられることがますます増える中で、彼女はあるプロジェクトを思いつきます。

Since then, a new question started to chase me. What will be the color of your children? As you can understand, this is my last concern. But thinking about it, with my previous background, my story led me to make my personal exercise as a photographer. And that is how Humanae was born.

(結婚してから、「あなたたちの子供の肌の色はどうなるのかな?」という新しい質問につきまとわれるようになりました。皆さんお分かりのように、私にとってはどうでもよいことでした。

しかし自分の家族や経験と照らし合わせて、そのことについて考えるうちに、写真家としてある個人的なプロジェクトを思いついたのです。このようにして Humanae は生まれました。)

Humanae is a pursuit to highlight our true colors, rather than the untrue white, red, black or yellow associated with race. It's a kind of game to question our codes. It's a work in progress from a personal story to a global history.

(Humanae は、私たちの「本当の色」に注目するためにはじまったのです。白、赤、黒、黄色のように人種に結びついた、偽りの色ではない、本当の色です。これは私たちの中にある暗号を解き明かすゲームのようなものです。そしてこの一連の作品は、個人的な物語から世界の歴史へと進化しつつあります。)

I portray the subjects in a white background. Then I choose an 11-pixel square from the nose, paint the background, and look for the corresponding color in the industrial palette, Pantone.

(モデルを白い背景の前で撮影し、彼らの鼻から 11ピクセルの四方形を選び出し、その色で背景を後から塗ったのです。そして、その色に相当するパントーンにおける色を探したのです。)

世界中で、老若男女、色々な立場の人の写真を撮り、彼らの肌にそれぞれ色を与えていく内に、このプロジェクトはどんどんと多くの人を巻き込んでいきます。

SNSでの広がりから、美術館での展覧会や、公共の場への掲示へと繋がっていき、自分の「肌の色」について悩んでいる人たちの元へも届きました。

Those portraits make us rethink how we see each other. When modern science is questioning the race concept, what does it mean for us to be black, white, yellow, red? Is it the eye, the nose, the mouth, the hair? Or does it have to do with our origin, nationality or bank account?

(これらのポートレイトは、私たちがお互いをどのように見ているのか、改めて考えさせてくれます。近代の科学が、人種についてのコンセプトに対して疑問を投げかけている中で、黒人、白人、黄色人種、赤色人種であるということは、どういうことなのでしょう?目、鼻、口、髪のこと?それとも私たちの出身地、国籍、それとも銀行口座が関係しているのでしょうか?)

This personal exercise turned out to be a discovery. Suddenly I realized that Humanae was useful for many people. It represents a sort of mirror for those who cannot find themselves reflected in any label.

(この個人的なプロジェクトは、大きな発見になりました。Humanae は多くの人にとって有益であることに突如気がついたのです。これらのポートレイトは、自身にどのグループにも当てはめられない人々にとって、鏡のようになり得るのです。)

 

様々なバックグラウンドが混じり合う世界で、「黒人」「白人」「黄色人種」「赤色人種」なんて単純な色に分けるなんてナンセンス。私たちは、もっとずっとカラフルだ。

 

As a photographer, I realize that I can be a channel for others to communicate. As an individual, as Angélica, every time I take a picture, I feel that I am sitting in front of a therapist. All the frustration, fear and loneliness that I once felt ... becomes love.

(写真家として、私は他の人とのコミュニケーションの架け橋になれることを知りました。そして1人の Angelica という人間として、写真を撮る度に、セラピストの前に座っているような気持ちになるのです。今まで感じていた全ての葛藤や恐れ、そして孤独が、愛へと変わるのです。)

The last country -- the last country in the world who abolished slavery is the country where I was born, Brazil. We still have to work hard to abolish discrimination. That remains a common practice worldwide, and that will not disappear by itself.

奴隷制度が最後に廃止された国は、私の祖国ブラジルです。偏見をなくすためには、まだまだやらなければいけない事がたくさんあります。それは、他のどの国でも同じだと思います。そして偏見は努力なしに自然に消えるものではないのです。)

 

3. あたらしい言葉

  • matriarch: 母家長
  • Spaninard: スペイン人
  • pantone: パントーン。米国式のデザインの色彩材料システム。色材料をすべて番号・略号で体系化・統一化している

 

4. 感想

今日もたくさん引用してしまいました。(日に日に引用が増えていく・・・!)

普段そこまで、自分の肌の色って意識しなかったなぁ。

そういえば前に、色々なヌードカラーにあわせた下着 "Nude for All" が販売されたというニュースを見ました。これもきれいだよなぁ。

f:id:mikachanko4281196:20170106235423j:plain

(Naja | Premium Lingerie with a Social Impact. Do-Good Underwear. )

自分の肌の色ってもっと大事にしていいんだ。誇りにおもっていいんだ。ユニークなものなんだ。
「茶色」「黄色」っぽい日本人の肌・・・じゃなくて、誰ともちがう私だけの肌の色。(ラオスにきて、かなり日に焼けて変色しているけど!)

そんなことを思わせてくれるスピーチでした。

 

5. スピーチ情報

Angélica Dass: The beauty of human skin in every color | TED Talk | TED.com

Event: TED 2016

Date: Feb 2016

Length: 11:27

 

humanae プロジェクトのホームページ。


このスピーチがのったプレイリストはこちらっ。


今週のその他のスピーチたち。

 

 

【ほぼ1日1TED】アイザック・リッズキー:あなたはどんな「現実」を生み出していますか?

バイディー(こんにちは)

先日に引き続き、"How we can be better going foward in 2017" (よりよく2017年を過ごしていくために) というプレイリストからスピーチを紹介していきます。

今日は、とても courageousでlion-hearted なスピーチを。アイザック・リッズキーの「あなたはどんな現実を生み出しているのか?」です。

(原題:Issac Lidsky  "What reality are you creating for yourself?") 

1. どんなスピーチ?

スピーチの最初に、彼自身について5つのことが述べられます。その中の1つが嘘だといいます。さて、どれだと思いますか?

 

  1. 19歳の時に、数学で優等学位を取りながら、ハーバード大学を卒業した
  2. 現在フロリダ・オーランドで、建設会社を建設している
  3. シットコム(アメリカのホームドラマ)に出演していた
  4. 珍しい遺伝の病気で、視力を失った
  5. 2人の米最高裁判事の法務書記員として働いたことがある

 

答えは・・・全部本当!(ずこーーっ)それにしても、すごい経歴です。

そんな eclectic (多方面で活躍してきた) Issac Lidsky が、視力を失ったことで気付いた私たち自身が作り出している「現実」について、どうしたら "eyes wide open"な状態で生きていけるのか。 力強く聴衆に届けます。 

 

2. スピーチの抜粋

"Our lives are full of fish swimming backwards. We make assumptions and faulty leaps of logic. We harbor bias. We know that we are right, and they are wrong. We fear the worst. We strive for unattainable perfection. We tell ourselves what we can and cannot do. In our minds, fish swim by in reverse frantically wagging their heads and we don't even notice them."

 (私たちの生活は、「後ろ向きに泳いでいる魚」でいっぱいです。物事を音速して、倫理の飛躍をしたり、偏見を抱いたり。自分が正しく、彼らは違っていると思っていたり。最悪を恐れ、手に入らない完璧さを求めます。私たちは、自分に出来ること・出来ないことを自分自身に言い聞かせているのです。このように私たちの心には、一生懸命頭を動かして、反対方向に泳いでいる魚がいるのに、そのことにすら気付いていません。)

スピーカーも、この「心の中の魚たち」に気がついていなかったといいます。25歳のときに、完全に視力を 失うまでは。

だんだんと視力を失う過程を、こんな風に言葉にしています。

Then, from age 12 to 25, my retinas progressively deteriorated. My sight became an increasingly bizarre carnival funhouse hall of mirrors and illusions.

(12歳から25歳のときにかけて、網膜が急激に悪化しました。それにより、私の視界は突如、とても奇妙な、そう遊園地にある「鏡と幻想の屋敷」といったびっくりハウスのようになったのです。)

"The salesperson I was relieved to spot in a store was really a mannequin. Reaching down to wash my hands, I suddenly saw it was a urinal I was touching, not a sink, when my fingers felt its true shape. A friend described the photograph in my hand, and only then I could see the image depicted.”

(ようやくの思いでみつけた店員がマネキンであったり、手を洗おうと洗面器に向かっていたら、便器にだったことに触れて気がついたり。手の中にある写真を、友達に説明してもらうことではじめて「見る」ことが出来るのです。)

Objects appeared, morphed and disappeared in my reality. It was difficult and exhausting to see. I pieced together fragmented, transitory images, consciously analyzed the clues, searched for some logic in my crumbling kaleidoscope, until I saw nothing at all.

(私の「現実」の中で、物は現れ、形を変え、消えていきました。見ることは、難しくひどく疲れるものでした。断片的ではかないイメージをつなげ合わせ、ヒントを分析し、崩壊しつつある万華鏡の中で何かしらの倫理を見いだそうとしていました。視力を完全に失うまで、そんな状態が続いたのです。)

 

私たちの脳は、情報の30%を、視覚から得ています。一秒に、目は20億もの視覚情報を脳に送っているそうです。触覚から8%、聴覚からはたったの2〜3%の情報を得ていないことからも、どれだけ私たちが目からの情報に頼って、「現実」を認識しているかが分かります。

視力を失うことで、今まで見えていた「現実」がどんどんと変化していく。その経験から、彼は「現実」というのは、普遍的なものではないのだと気がつきます。

 

"I learned that what we see is not universal truth. It is not objective reality. What we see is a unique, personal, virtual reality that is masterfully constructed by our brain."

(そして、私たちが見ているものは、普遍的な真実でないことを学んだのです。それは客観的な現実ではなく、脳によって作られたユニークで個人的なバーチャルな現実を私たちは見ているのです。)

"To create the experience of sight, your brain references your conceptual understanding of the world, other knowledge, your memories, opinions, emotions, mental attention. All of these things and far more are linked in your brain to your sight. These linkages work both ways, and usually occur subconsciously. So for example, what you see impacts how you feel, and the way you feel can literally change what you see."

(なにかを見るとき、あなたの脳は、自身がどのように世界を見ているか、その他の知識、記憶や意見、感情や、何に注意を払っているかといったことを参照します。これらのこと全てが、あなたの脳の中、そしてあなたが見るものに繋がっているのです。またこの繋がりは両方向に渡っていて、多くの場合は、無意識的に起こっています。例えば、あなたが見るものは感情に影響を与えますし、あなたの感情は、あなたが見るものを実際に変えてしまうのです。)

 

So how do you live your life eyes wide open? It is a learned discipline. It can be taught. It can be practiced. I will summarize very briefly.

(ではどうしたら、しっかりと目を開いて「現実」と向き合っていけるよでしょうか?学んで身につけられることです。練習すればできるようになることです。ごく簡単に お伝えします。)

Hold yourself accountable for every moment, every thought, every detail. See beyond your fears.Recognize your assumptions. Harness your internal strength. Silence your internal critic. Correct your misconceptions about luck and about success. Accept your strengths and your weaknesses, and understand the difference. Open your hearts to your bountiful blessings.

(どの瞬間、どんな考え、どんなに細かいことにも、責任をもつことです。恐れを手放してみてください。自分が抱いている想定に気がついてください。内側に秘めた力をもっと活用してください。心の中の否定的な声を止めましょう。運や成功に関する間違った考えを変えましょう。自身の強さと弱さを受け入れて、違いを理解しましょう。そして、豊かな恵みに心を開いてください。)

Your fears, your critics, your heroes, your villains -- they are your excuses, rationalizations, shortcuts, justifications, your surrender. They are fictions you perceive as reality. Choose to see through them. Choose to let them go. You are the creator of your reality. 

(あなたの中にある恐れ、批判、ヒーロー、悪者・・・これらは皆あなたの言い訳、合理化、近道、正当化、降伏なのです。あなたが現実だと思い込んでいる、つくり物なのです。それをよく見つめて、手放すことを選びましょう。あなたは、自分の手で「現実」をつくっているのですから。)

 

3. あたらしい言葉

  • retina: 網膜
  • wag: しっぽを振る、ひょうきんもの(古)
  • magna cum laude: (ラテン)優等

 

4. 感想

短いスピーチなのですが、随分とたくさん引用してしまいました。 

「私たちは、私たち自身を通して世界を見ていること」なんとなく聞いたことがある考えだけれども、スピーカーの経験や経歴、美しい言葉や、まっすぐと堂々とした姿勢に打たれました。

自分でどんな「現実」を生み出していくのかを選ぶこと、その選択に責任を持つこと。

スピーチのあとの、”How is to be a blind CEO?"という質問への回答も、思わず拍手したくなっちゃう。ぜひ見てみてください。

 

5. スピーチについて

Isaac Lidsky: What reality are you creating for yourself? | TED Talk | TED.com

Event: TED Summit 

Date: Oct 2016

Length: 11:46

 

プレイリストはこちら。 


 

 

【ほぼ1日1TED】ジュリアン・トレジャー「聞き上手になる5つの方法」

バイディー(こんにちは)

今年もTED、みてきいて紹介していきます!

”ほぼ”1日1TEDということで、週5回を目安に更新する予定です。

2017年1週目は、"How we can be better going foward in 2017" (よりよく2017年を過ごしていくために) というプレイリストのスピーチをみていきまっす。


今日のスピーチは、ジュリアン・トレジャーの「聞き上手になる5つの方法」 です。

(原題: Julian Treasure "5 ways to listen better") 

1. どんなスピーチ?

スピーカーの Julian Treasureは、Sound Agency というビジネスや医療などのあらゆる分野で、「音をどのように活かす」かコンサルティングを行う会社の代表を務めています。"Sound is my passion."とスピーチでも自分で言っている、音のプロフェッショナル。TEDでも音に関するスピーチを、この他に4本行っています。

そんな彼が、「聞き上手」になるための5つの簡単なエクササイズを紹介しているのがこのスピーチ。もっとよく聞くために今日から出来ることを、具体的に教えてくれます。

 

2. スピーチの抜粋

まずは、スピーチの冒頭から。

We are losing our listening. We spend roughly 60 percent of our communication time listening, but we're not very good at it. We retain just 25 percent of what we hear.

(私たちの聴く力は衰えています。コミュニケーションの時間の約60%を私たちは聴くことに費やしています。なのに、聴くことが得意ではないのです。私たちは、聴いたことの25%しか覚えていないのです。)

 

たしかに感覚的には、話しているときよりも、聴いている時間の方が長い気がする。そして、なんとなく聴いてるときって、何言ってたかすーぐ忘れちゃう。

 

This is a serious problem that we're losing our listening. This is not trivial, because listening is our access to understanding. Conscious listening always creates understanding.

(聴く力を失いつつあることは、深刻な問題なのです。どうでもいいことじゃないのです。なぜなら、聴くということは、理解へと繋がっているからです。きちんと耳を傾けて聴くことは、理解を生み出すのです。)

 

ふむふむ。しっかりと聴こうとする気持ちが、理解への第一歩。でも「聴く」って意外と難しい。「じゃあ、どうしたらいいの?」ということで 5つのエクササイズが中盤で紹介されます。

 

  1.  Silence (沈黙)
    1つ目は沈黙。喧噪から離れ、なるべく静かなところで、3分過ごしてみること。シンプル。
  2. Mixer (ミキサー)
    次は、ミキサー。色々な音が混じっているときに、それぞれの音がどこから来ているのか、いくつの音からなっているのかに耳を澄ませてみること。賑やかな場所でも、自然の中でも出来る。 
  3. Savouring (味わうこと)
    乾燥機やコーヒーマシンなど、日常で聴いている「退屈な」音に注意を傾けて聴いてみること。楽しんでみること。
  4. Listening position (聴く立場)
    スピーカーが1番大事なエクササイズだと語っているのが、こちら。私たちは知らぬ間に色んなフィルターを通して色んな物事を聴いている。
    「もし自分が子供だったら?」「この人のことを好き/きらいだったら?」自分を違う立場に置いてみて、聴いてみること。
  5. RASA ( receive, accept, summarise, ask ) 
    彼の造語の RASA。サンスクリットで、「エッセンス」という意味があるそう。受け取って、認めて、まとめて、尋ねること。コミュニケーションのエッセンス。

Now sound is my passion, it's my life. I wrote a whole book about it. So I live to listen. That's too much to ask for most people. But I believe that every human being needs to listen consciously in order to live fully -- connected in space and in time to the physical world around us, connected in understanding to each other, not to mention spiritually connected, because every spiritual path I know of has listening and contemplation at its heart.

(音は、私のパッションであり、私の人生でもあります。まるまる1冊、音について書いたこともあります。私は聴くために生きている・・・ともいえます。みなさんに、私と同じような熱意をもってもらうことは難しいでしょう。でも全てに人にとって、人生をよく生きるためには、「注意を傾けて聴くこと」が不可欠なのです。 空間や時間野中で、私たちの周りの物理的な世界とつながるために、お互いに理解しあうために。そして、もちろん精神的なつながりを得るためにもです。全ての精神的な道は、聴くこと・瞑想なしにはあり得ないからです。)

 

3. あたらしい言葉たち

  • reverberation: 反響、こだま
  • sonority: 響き渡ること、音の聞こえ
  • cacophony:  耳障りな音、不協和音

 

4. 感想

「聞き上手」というと、人とのコミュニケーションに関する話かと思いました。実際はそれだけではなく、日常すべての音に通じていること。「人の話を聴く」ことについては、考えることがあったけれど、それ以外の音はたしかに意識して聴くことがなかったなぁ。

「聴く」ことを、子供に教えるべきだ、とも最後にいっていて、とても賛成!学校できちんと人の話や周りの音を聴くことを学んで身につけられたら、コミュニケーションも変わってくると思う。

スピーチの中でも音が使われていて、体感しながら「聴く」ということについて、思いを巡らす新しい経験です。スピーカーの音に対する熱意が伝わってきます。

英語もシンプルで聞きやすいですよ^^

 

 5. スピーチ情報

Julian Treasure: 5 ways to listen better | TED Talk | TED.com

Event: TED Glovbal 2011

Date: Jul 2011

Length: 7:50 

2017年 ラオスで迎える2回目の「新年」。

あけましておめでとうございます。

サバイディーピーマイ。

Happy New Year! 

https://www.instagram.com/p/BOwG2x3gmE7/

2017年です、2017年ですか、2017年ですよ。

2017年。

いつも年の始めは このあたらしい年の感じに慣れないんですよねー。

何度もいったり、書いたりしているうちに、慣れていく。

あれ、平成は今年何年だろう・・・そして何年だ、今年?さる?とり?

それにしても今年は、今までで1番「年を超した」感がありません。

 

ラオスは仏歴でやっているので、お正月の本番は4月中旬ですが、

「インターナショナル・ニューイヤー」という名のもと、30日(金)から振替の2日(月)までお休み。

30日は職場での(いつも通り)パーティーがあり、

年越しは、同僚と友達と、雨の中、タートルアン(お寺)で過ごしました。

は〜〜〜きれいだった〜〜〜しあわせだった〜〜

https://www.instagram.com/p/BOtHWbsAVG_/

https://www.instagram.com/p/BOtH5pcA2g7/

 

1日は、またまた職場の人の家でのパーティー。

「ビールに塩を少しいれると、炭酸が抜けて酔わなくなる」ということを初めて知る!でも味はあんまり美味しくない・・・

f:id:mikachanko4281196:20170102191006j:plain

f:id:mikachanko4281196:20170102192356j:plain

穫りたて♫ 焼きたて♫

f:id:mikachanko4281196:20170102192437j:plain

パーティーのために雇われてきた、ミュージシャン。弱視でほとんど見えていないそう。何時間もリクエストされた曲を、めっちゃノリノリで弾きつづける。全部覚えてるのかなーーーすごかった!

そのあと同期の子と、犬猫とたわむれたり、

家でトッポギでなんちゃってお雑煮等を食べて、

ようやくちょっとお正月らしい気分になりました。

 

他の国にいる協力隊の人の投稿なども見ていると、国によって 新年の迎え方は違うんだなぁと、当たり前のことを今さらながら思ったりします。

(やっぱり日本のお正月が、好きだーーーーー!)

 

2017年の最初の6ヶ月は、協力隊としてラオスにいて、

そのあとは日本に帰国します。

ちょうど半分半分。どこでなにをしているかな・・・。

ラオスと日本でそれぞれで、たくさんの不安と楽しみがあります。

 

ブログもマイペースにやめてしまわずに、

ラオスのこと、英語のことなどなど、書いていきたいと思います。

 

まずは明日、タートルアン(お寺)での年越しについて詳しく書きます。

どうぞ今年もよろしくお願いします。(^^)

 

昨年はこんな感じで過ごしました。


 

【青年海外協力隊】気がついたらあと半年!第4号報告書を提出します。

https://www.instagram.com/p/BOAJb8lgb8z/

In progress

0 報告書概要

 ラオスに来て、ちょうど1年半となる。日々忙しく過ごす中で、あっという間に時間がすぎていく。本報告書では、2016年7月から12月末までの活動を振り返るとともに、残りの活動期間6ヶ月をどのように過ごしていくかについて記載している。

 

  1.  活動進歩状況
     【英語コース】活動の柱である、公務員の生徒を対象とした6ヶ月コース
     【English Cafe】週末に新しくはじめたイベント English cafe について
     【この先6ヶ月】1月以降の活動の予定について

  2.  課題解決に向けた取り組み
     【生徒の出席率とモチベーション】コースへの参加を促進するために
     【英語の輪】ビエンチャン市内の英語コミュニティについて
     【帰国後どうする】活動先の人材開発について

  3.  活動の成功例・失敗事例
     【授業の試行錯誤あれこれ】英語の基礎の学び方と実践
     【困っているのは自分】活動する中で思ったこと

  4.  受け入れ国の人々の変化
     【"You made me brave!"】英語を話すことへのハードルを下げる
     【知ろうとしてくれるのがうれしい】人を文化を知ろうとすること

  5.  その他
     【タイへの精神保健福祉視察】バンコク周辺の施設見学
     【めこんでの対談企画】ラオス南北での対談インタビュー実施
     【お茶会】IV-Japan 主催のお茶会に参加

1 活動進捗状況

英語コース

 6月からはじまった2回目の6ヶ月英語コースが、12月中旬で終了した。前回の報告書にも記載したように、今回はかなり人数が少なく、修了した生徒は初級・中級合わせて23名である。

5,000kip English Cafe

 10月より、NPO E-Educationで来ている日本人と協力し、5,000 kip English Cafeというイベントを開催している。英語を勉強したいラオス人と、ラオスのことをもっと知りたいという外国人を繋げる場をつくるのが目的である。前半は、アイスブレークを兼ねた英会話、その後はそれぞれの回のトピックに関してのグループワークという2部構成。

 2週間に1度の頻度で職場を借りて開催しており、今までで4回実施。外国人も観光客や在住者などさまざまな国からの参加者を迎えている。毎回ラオス人は募集人数を超える参加希望をもらうなど好評であり、今後も続けていきたいと考えている。また、職場の人やラオス人サポーターと協力して、私が帰国したあとも継続していけるような仕組みをつくっていきたい。

この先6ヶ月

  1月末より3ヶ月の英語コースを行う予定。午後に初級、夕方に中級のクラスで、午後にはカウンターパートに入ってもらい、夕方は外部のラオス人講師と一緒に授業を行う。また、月に一度(金曜朝)活動先の職員数名と、英語教授法についてのワークショップを実施する。加えて、金曜午後に日本文化と日本語についての授業も行う予定。

 

2 課題解決に向けた取り組み

生徒の出席率とモチベーション

 仕方ないのかもしれないが、やはり生徒の出席率が低い。英語だけではなく、他のコースにも共通していえることなので、活動先と話し合い、出席のルールを話し合っている。案としては、1)掲示物を作成し、皆が見える形で出席をとる、2)出席率によって、2種類の修了証書をつくる、3)皆勤賞などの賞を設ける、が出ている。

また生徒のモチベーションを高めるために、1)コースの最初にゴールシートを作成、2)習慣化シート(5分の独学をつづける)の2つを次回試してみたい。

英語の輪

 ビエンチャン市内で、英語を非正規の先生として教える人たち、英語を学びたい学生、英語の学習グループなどと関わる機会を多くもった。その中で感じるのは、インターネットの教材も含めて学習の機会はあること。しかし、英語を学びたい人も上手く情報につながらず、どう勉強したらよいか分からないか困っているということ。そこを繋げていければと思う。例えば、非正規の先生同士の集まりを設けたり、優れた学習者や英語の先生に勉強法等についてインタビューをするなどを考えている。

 帰国後どうする

  活動先で英語を教える人が、現在は私だけなので、帰国後のコース運営をどうするかを話し合っている。6ヶ月、別の機関で英語の研修を受けていたカウンターパートが帰ってきたので、次回3ヶ月はクラスの準備・運営を今度こそ一緒に行う。そして、5人ほどの職員と、月に1-2回、TESOLを元にしたワークショップを行い、帰国後のコースを行える人材を開発していければと思う。

 

3 活動事例の成功例・失敗例

クラスの試行錯誤あれこれ

 毎日試行錯誤しながらのクラス運営である。前回行った単語は、生徒主導でやろうとすると思った以上に時間がかかり、結局途中で挫折してしまった。次回は、あらかじめ作成した単語帳をもとにして、やっていく。

 発音は、最後の1ヶ月で一通りやり終えると、生徒自身も分かるくらいの変化が起きて、とても好評だった。やはりやり方が分かるって、はじめて練習が出来る。次回以降は、コースの最初に行い、やる前と後の変化を振り返れるような仕掛けをしたい。

 前回よりも人数が少なかったのもあり、1人1人を知ることが出来たり、個別に取り組む時間が多く持てたのはよかった。「自分の仕事」をテーマにしたプレゼンテーションなども、実際にこれから使えるものだとの声をもらった。

English Lunch から English Cafeへ

 最初は平日の昼に集まって、English Lunch をやっていたが、中々人が集まらない状況にあった。上記のように、協力してやれる人が見つかり、休日の午後に時間帯を変更し、facebookページやポスターを通して募集をかけたことにより、集客が行えるようになった。また内容も、充実したものになり、一緒に考えてやれる人がいることのよろこびを感じた。

困っているのは自分

  協力隊の活動は、「なくても困らないけれど、出来ればもっとよくなる」ことに取り組んだり、「これから」につながる芽をまいていくものだと感じた6ヶ月であった。そのために「こうしたい」という気持ちを抱いて、それが上手くいかないと困るのは自分だけだったりする。

 自分自身が困っているのに、勘違いして相手を「困っている人」にしてしまうと、自分が何に悩んでるのか、わからなくなってしまう。悩んだときは、相手ではなく「自分が困ってる」と自覚した上で、「どうしたいのか」「どうなってないから困ってるのか」をもう1度見て、それを周りの人にもう1度伝えてみることが大事だと思う。

 

4 受入国の人々の変化

”Made me brave! ”

 English cafe のアンケートにあった、"You made me brave!(おかげで勇気がもてた)" の言葉がとてもうれしかった。割とシャイな人が多いラオス人だが、授業やイベントを通して、英語で自分の考えを話している姿などを見れるのがやはり1番嬉しい瞬間である。

 事務所では、午前中はラオス語、午後は英語で話すように決めている。同僚の1人は、「もっと英語話したい!」と席を移動してきた。クラス内でも、事務所でも、英語で話すことが、もっとカジュアルで楽しいものになるように、貢献していければと思う。

「知ろうとしてくれるのが、嬉しい」

 先日活動先の飲み会で、「ラオス語を一生懸命勉強したり、色々な行事や文化を知ろうとしてくれてるのがすごく嬉しい」と言われた。私たちが何かを伝えるのも大事だが、ラオスの人たちやラオスに興味をもち、知ろうとすることが、何よりも喜ばれているなと感じる。 

 以前から、「日本語も教えて」と言われ、英語で手一杯だったのもあり断っていたが、1月末から週に1度、日本の文化紹介と日本語レッスンを混ぜたクラスを行う予定。活動先から、毎年日本へ研修へ行く人もいるので、その経験がより豊かなものになるようなレッスン、また日本のことを少しでも知ってもらう手がかりとなればと思う。

 

5 その他

タイ・バンコクにて精神保健関連施設の視察

 8月末に、日本福祉大学の先生達と一緒に、タイ・バンコク近辺の精神保健関連施設の視察を行った。主に見学したのは、薬物中毒者支援をしている寺院、タイ最古の精神科病院、コミュニティ支援を行っている寺院の3ヶ所。

 仏教が深く関わった、国の制度とは違う形で行われている支援や、当たり前のこととして支えあう姿を垣間見ることができた。ラオスで、「ソーシャルワーカー」として出来ることはまだ中々見つけられていないが、1月よりソムサンガリハビリテーションセンターでのボランティアを調整中である。

タイへ精神保健福祉(メンタルヘルス)の視察にいってきました。 

 

めこんでの対談企画

 隊員誌 めこんにおいて、「ラオスの昔・今・そしてこれから」というテーマで、ラオス人とJOCVの対談インタビューを担当した。シェンクワン・ビエンチャン・チャンパサックと、住む場所や年代も違うラオス人の話をゆっくり聞くことが出来た、大変よい機会となった。

【ラオスの戦争の跡に触れる】3泊4日のラオス北部・シェンクワン旅行のまとめ。 

【ラオス南部旅行ダイジェスト】バス旅、村の女性インタビュー、織物の島、世界遺産とすこしの怖い話。 

 

お茶会

  ラオスにて支援活動を行っているNGO IV-Japanの代表の方が主催で、9月にお茶会が行われ、お手伝い・お手前をさせていただいた。日本の文化の美しい部分がたくさん詰まった茶道を、ラオスでも共有することができ、有り難く思う。また機会があれば、是非協力できればと思っている。

【千里同風】ラオスでお茶会をしたら、ますます茶道が好きになった話。

 

 

 

これまでの報告書 

第一号

第二号

 第三号


デブ・ロイ:初めて言えた時/言葉がうまれる時【1日1TED 言語/語学】

バイディー(こんにちは)

言語テーマの今週最後のスピーチは、デブ・ロイの「はじめて言えた時/言葉のうまれる時」です。これまた、もの凄いスピーチです。

(原題:Deb Loy "The Birth of a Word") 

1. どんなスピーチ?

スピーカーのDeb Royは、認識科学者 (Cognitive scientist)です。MIT Labにて、子供の言語取得の過程や、人間のように話すロボットについての研究を行っています。

Deb は自身の息子が生まれてから、自宅の全室にビデオカメラとマイクを取り付けて、約3年間、25万時間 ( quarter-million )に渡って、自宅で起こった行動や話された言葉のを記録し続けました。

今までで作られた中できっと最長のホームビデオ全集 ( longest home video collection ever made )とも言える、この膨大なデータを元に、最新のデータ解析技術を用いて、赤ん坊がどのように言葉を学んでいくのかに迫ります。

スピーチの中で、実際に赤ん坊が "water"という言葉を言えるになる瞬間を音声で聞くという、ものすごく感動的な瞬間を体験できます。

 

2. スピーチの抜粋

 スピーチのはじまりは、こんな夢のようなイマジネーションから。

Imagine if you could record your life -- everything you said, everything you did, available in a perfect memory store at your fingertips, so you could go back and find memorable moments and relive them, or sift through traces of time and discover patterns in your own life that previously had gone undiscovered.Well that's exactly the journey that my family began five and a half years ago.

(もしあなたの人生を記録することが出来たら・・・と想像してみてください。あなたが言ったことや、やったこと全てが、完全な記憶としてあなたの手元に残るのです。それによって、いつでも思い出の瞬間に立ち戻って追体験する事が出来るとしたら。また、時間の流れを調べて、今まで分からなかった自分の生活スタイルのパターンが分かるとしたら・・・。
これは、まさに私たち家族が5年半前にはじめた試みなのです。)

 

想像のものかと思ったら、なんとテクノロジーの力で実現されていたのです!

1日8-10時間、家中で画像と音声を記録するという壮大な実験のはじまりです。その中で、ぜんぶで 700万もの言葉が録音されたといいます。

その言葉のデータを用いて、「言葉が生まれる瞬間」を再現します。

 

So you've all, I'm sure, seen time-lapse videos where a flower will blossom as you accelerate time. I'd like you to now experience the blossoming of a speech form. My son, soon after his first birthday, would say "gaga" to mean water. And over the course of the next half-year, he slowly learned to approximate the proper adult form, "water." So we're going to cruise through half a year in about 40 seconds. No video here, so you can focus on the sound, the acoustics, of a new kind of trajectory: gaga to water.

(皆さんは、時間を早送りにして、花が開花する瞬間を映したビデオを見たことがあると思います。今日は、”言葉が開花する瞬間”を皆さんに体験してもらいましょう。私の息子は、1歳の誕生日のすぐあとに、"water"を"gaga"というように口にし始めました。そのあと半年間に渡り、彼の"gaga"はゆっくりと大人が発音するような正しい "water"に近づいていきます。それでは、その半年間を40秒で体験してみましょう。画像はありません。それは、皆さんに音に注目してほしいからです。"gaga"から"water"へ、”新しい形の言葉の軌道”をどうぞお聞きください。)

 

これは何とも言葉に出来ないのですが、最初は"gaga"だったものが、少しずつ戻ったりもしながら、最後にパッと "water"になるのです。

何度も何度も繰り返して、大人の反応をみて、もう一度やってみて、やっと "water" になる。すごい。まさに、言葉が開花した瞬間です。

 

そして、この膨大な言葉のデータは色んな形で解析されています。別の疑問は、「それぞれの言葉は、どのタイミングで習得されるのだろう?」ということです。

それぞれの言葉が大人によって、赤ん坊の前で話された際の会話の長さを、会話の複雑さとして捉えてデータ化しました。そうすると、下向きの曲線があらわれるのです。

大人はまだ言葉を理解していない赤ん坊の前で話すとき、まず複雑な会話の流れでその言葉を使い、1度よりシンプルな会話の中で使い、また複雑な会話の中で使う・・・ということを無意識にしているそうです。

 

And what we found was this curious phenomena, that caregiver speech would systematically dip to a minimum, making language as simple as possible, and then slowly ascend back up in complexity. And the amazing thing was that bounce, that dip, lined up almost precisely with when each word was born -- word after word, systematically.

(私たちはとても興味深い現象を発見しました。赤ん坊の面倒を見ている大人たちは、自動的に言葉を出来る限りシンプルなものに1度置き換えるのです。そしてそのあと、ゆっくりとまた難しい表現へと戻るのです。この素晴らしい反動の瞬間が、まさに言葉が生まれる瞬間と一致しているのです。)

And the implications of this -- there are many, but one I just want to point out, is that there must be amazing feedback loops.

(つまり言葉の誕生の瞬間にはには、この驚くべきフィードバックループがあったのです。)

 

このような曲線の状況をフィードバックループ、と呼んでいますが、赤ん坊はこのループによって言葉を学んでいくと。

またその他にも、言葉とその言葉が使われる場所や、その状況のデータを集めて解析した結果なども紹介されています。

 

そしてこの研究は、家の中に限らず、社会上のメディアとそれに対する反応・使われている言葉などの繋がりの研究へとも繋がっています。

どんなコンテンツが、どんな言葉を生み出したり、引き出しているのか。また、その言葉がさらにどんな風に繋がっているのか。

実際のデータ解析の映像は、圧巻です。

 

 So, to summarize, the idea is this: As our world becomes increasingly instrumented and we have the capabilities to collect and connect the dots between what people are saying and the context they're saying it in, what's emerging is an ability to see new social structures and dynamics that have previously not been seen. It's like building a microscope or telescope and revealing new structures about our own behavior around communication. And I think the implications here are profound, whether it's for science,for commerce, for government, or perhaps most of all, for us as individuals.

(つまり、私たちの世界はどんどんと様々な機器につながってきていて、人々が何をいっているのか、それらがどんな文脈の中で使われているのかについての情報を集めて、それらの繋がりを見いだすことが可能になってきているのです。これによって、今まで見えていなかった、新たな社会的な構造やダイナミックスが浮かび上がってくるのです。これはコミュニケーションにまつわる私たち自身の行動を、覗き込むための顕微鏡を生み出しているようです。これらの発見は科学にとって、産業にとって、政治にとって、そしてきっと何よりも私たち個人にとって、深い意味を持つものだと思っています。)

 

テクノロジーが生活に密着している今。ものすごい量のデータが毎日、知らない所で集められています。そのデータを使うことによって、今まで知らなかった私たち人間や 社会の新しい姿が見えてくるのかもしれません。

スピーチの最後に、私たちはまた息子さんの思い出の場面に立ち会います。感動的、そしてほっこりするラストです。

 

3. 新しいことばたち

  • sift: ふるいにかける、精選する、精密に調べる
  • incandescent: 白熱の、まばゆいほどの、素晴らしい
  • unsolicited: 懇願されていない、要求をしないのに与えられた
  • (convert) this opaque: 不透明な、光沢のない、理解しがたい、不明瞭な
  • accoustic: 音の
  • "nail it!": (俗)〜をうまくやる、成功する
  • scaffolding: 足場(で支える)
  • semantic: 意味の、語義の
  • subset: 部分集合、一部

 

4. 感想

最初にこのスピーチを見た時、His speech really blowed my mind でした。データ解析とかよく分からないのですが、今もうこんなことが出来るんだって。すごい。。

前回紹介したこちらのスピーチなどでは、子供の脳、人間の中身を見ての研究について話されていますが、今回のスピーチは人から出た言葉や行動のデータを用いて、言葉が学ばれる過程を見ていきます。きっとまだまだこのデータを使って、色んな解析がされるんだろうなぁ。もっと解析結果知りたい!データの力に、圧倒されました。

そして、言葉の開花の瞬間、言葉が生まれるとき。この体験はすごいパワフル。ちょっと長いですが、是非体験してもらいたいです。

 

5. スピーチについて

Deb Roy: The birth of a word | TED Talk | TED.com

Event: TED 2011

Date: March 2011

Length: 19:45

ジャミラ・リスコット:私の3通りの英語の話し方【1日1TED 言語/語学】

バイディー(こんにちは)

11TED、語学・言語編。今日のスピーチは、ジャミラ・リスコットの「私の3通りの英語の話し方」です。

(原題:3 ways to speak English / Jamila Lyiscott)

1. どんなスピーチ?

教育者であり詩人でもある、Jamila Lyiscott。彼女は、African Disporaについての教育を専門にしながら、人種や教育に関するさまざまな活動を行っています。
"spoken-word essay"と評されるこのスピーチは、「”正しい”英語を話すこと」や「言葉とアイデンティティ」などについて考えさせられる、笑い、皮肉、怒り、希望が入り混じった、力強いものです。

 

2. スピーチの抜粋

スピーカーの Jamila は、家・教室・友達といるときで、かなり異なった英語の話し方をすると言います。それこそ、違う言語を話しているかのように。

世界中のたくさんの人がたくさんの場所で英語を話す今。英語は色々な言語や文化、歴史と交じり合っています。
"articulate” な英語を話すってどういうことなんでしょう?

この articulate というのも訳すのが難しい言葉だなぁ。訳では、”正しい”英語となっています。うんうん。Merriam webster では、

"express oneself readily, clearly or effectively." 

とあります。はっきりと発音したり、適切な言葉を用いて、明確に自分を表現することができる、と捉えます。

ここから、スピーチの抜粋です。

"Yes,  I have decided to treat all three of my languages as equals. Because I'm "articulate". But who controls articulation? Becase the English language is a multifaceted oration. Subject to indefinite transformation. Now you may thing that it is ignorant to speak broken English. But I'm here to tell you that even "articulate" Americans sound foolish to the British. (Laughter)"

(そう、私の3つの言葉をみんな、平等に扱おうと決めたのです。だって私(の英語)は”正しい”のですから。でも、一体誰が ”正しい"を決めるのでしょうか?英語は、とても多岐にわたる言葉で、ずっと変化しつづけています。ブロークンな英語を話すことは、無知なことだと思われるかもしれません。でも、”正しい”英語を話すアメリカ人だって、イギリス人にとっては馬鹿みたいに聞こえてるんですよ。(笑)) 

"So I may not always come before you with excellency of speech. But do not judge me by my language and assume that I'm too ignorant to teach. 'Cause I speak three tongues. One for each: Home, school and friends. I'm a tri-lingual orator. Sometimes I'm consistent with my language now. Then switch it up so I don't bore later. Sometimes I fight back two tongues. While I use the other one in the classroom. And when I mistakenly mix them up, I feel crazy like... I'm cooking in the bathroom." 

(私はいつも素晴らしい言葉で、あなたの前で話していないかもしれません。でも、言葉だけで私のことを判断したり、人に教えられない無知な人だと思わないでください。だって私は、3つの言語が話せるのですから。家、学校、そして友達と、それぞれの場所でそれぞれ違う言葉を持っているのです。そう、3つの言葉の使い手なんです。

時には、今みたいに一貫性を持って話すこともあれば、飽きないように言葉をスイッチしてみたり、2つの言葉で言い返すことだってあります。そうしてもう1つの言葉を、教室の中では使います。間違えて、違う場所で違う言葉を使ってしまうときは、トイレの中で料理しているようなおかしな気持ちになります。)

 

”ブロークン”英語って、言われてみれば、「壊れた」「かけた」英語ってことなんでしょうか。言語に、「基準」「標準」はあるのかもしれませんが、優劣なんてないはず。

 

"And the reason I speak a composite version of your language is because mines was raped away along with my history. I speak broken English so the profusing gashes can remind us that our current state is not a mystery. 

 (私が、あなたの言葉の組み合わせたようなバージョンの言葉を話すのは、私たちの言語は歴史上、奪いさられてしまったからです。私はブロークンな英語を話しています。そしてこの大きな傷は、私たちの今の状況が必然であることを思い出させます。)

How can you expect me to treat their imprint on your language as anything less than equal. Let there be no confusion. Let there be no hesitation. This is not a promotion of ignorance. This is a linguistic celebration. That's why I put "tri-lingual" on my last job application. (Laughter) "

(どうして、私たちの言葉が、あなたたちの言葉よりも劣っていると考えられるでしょうか。誤解をしないように。ためらったりしないで。これは、無知であることをすすめているのではありません。これは、言葉にとって喜ぶべき、褒めたたえるべきことなのです。だから、私は前回出した履歴書に、「3カ国語が話せます」と記載したのです。(笑))

 

 " tri-tongued orator (3つの言語の話し手)"であることを誇りに思う、と。どの”言語”を使っているときだって、"I'm articulate." だから。 

 

3. 新しいことばたち

  • shell where my soul dwells: 言葉通りに訳すと、「私の魂が宿る貝殻」。彼女の肌・肌の色のこと。
  • enunciation: 発音の仕方。宣言。
  • diction: 言葉使い、言い回し。
  • "What's good with you?":  "How are you?"的に使われる。 
  • multifaceted:(宝石など)多面体の、多岐にわたる
  • suburbia: 郊外
  • composite: 各種の要素からなる、合成
  • profuse: 気前のよい、たっぷりの、惜しみない
  • gash: 切り傷、割れ目、(比喩)女性
  • nonsensical: ばかげた
  • imprint: 刷り込まれた、印象を与える、影響を及ぼす

 

4. 感想

このスピーチは、自分の中に入ってくるまでに時間がかかって、何度も見直しました。

個人としては、英語を教えるようになって、"articulate"な英語を話すことへのこだわりというか、それが出来ないことへの恐れが自分の中にあるのを強く感じている、1年半で。「日本人が話す英語」「本物じゃない英語」というような、変な気持ちがまだまだあります。(やーだわ)スピーカーとは違う形ですが、"articulate"であることにとらわれている気がします。

オンライン英会話をやっているのですが、そこでジャマイカの先生と話をしていて、公用語は英語(ジャマイカ英語)ということを始めて知り、「自分の母語は英語に”吸収”されてしまったのよね」というようなことを話されていました。

私たちは、日本語っていう母国語があって、英語は第2ヶ国語として使っています。
でも、たとえばジャマイカの人たちによっては、自分たちの母語であるジャマイカ英語が、「本物の英語に比べて劣っている」「ブロークンの英語だ」と言われたら、そういう態度をとられたら、どんな気持ちなんだろう。

 ラオスにいて出会う外国人。ラオス人、フィリピン人、フランス人、ドイツ人、韓国人、中国人、スペイン人、タイ人、スリランカ人・・・みんな英語で話すけれど、みんなアクセントはぜんぜん違う。

"articulate" であること。自分の気持ちや相手に伝わること。自分の話す言葉や話し方を、卑下しないこと。 うん、まとまりませんが、深いスピーチです。

 

5. スピーチについて

Jamila Lyiscott: 3 ways to speak English | TED Talk | TED.com

Event: TED Salon NY 2014

Date: Feb 2014

Length: 4:29

 

彼女のスピーチを紹介している、TEDの記事です。