2月のみかづき。

【日福課題】ソーシャルワーカーの専門職としての自己覚知

【追記】最近、国家試験も近いからか、検索からこの記事を見てくださる方が多いので、少し追記を。

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2013年から2015年まで、日本福祉大学の通信学部で、精神保健福祉士の資格をとるために勉強していました。その時に書いた、課題を載せています。

自分の記録のためと、もし同じ課題に取り組む人から、意見など聞けたらいいなぁと思ってブログの記事として載せています。

  

 

 精神保健福祉援助演習の学習を通して、専門職としての自己覚知がどのように深まったか、スクーリングで学んだ事を基に、以下に述べる。

 まず1回目のスクーリングでは、精神保健福祉士として働く上で、なぜ専門職としての自己覚知が必要なのかを学んだ。授業の中で、まず「自分が大切にしていること」というワークを行った。

 私たちが生活していく上で、何を大切にしているか5つ選びそれにまずそれぞれが順位をつけ、その後グループで共有しグループとしての順位をつける、というものであった。グループでそれぞれの大切にしているものを発表しあった際、自分が予想していた以上にそれぞれが大切に思っていることとその順位は違っていた。それぞれが生きてきた人生や培ってきた価値観によって、大切にしているものは大きく異なり、その人がいる環境やライフステージによってもそれは変化していくことを、グループでの話し合いから気付くことが出来た。

 また、その後に行った「精神障害者は○○だ」というワークでは、自分が物事に対して、どのような考えを持っているのか、客観的に取り出して人と比べることで、初めて私は私の考えを通して物事を捉えていることに気付いた。

 精神保健福祉士は、支援をする際に、「自分の価値観」を通してクライエントと向き合っている。他の職業、例えば販売員や接客業、会社員などであれば、無論「自分の価値観」を持って仕事に取り組むが、「自分の価値観」がクライエントに大きく直接的に影響する事は少ないように思う。しかし精神保健福祉士は、クライエントの生活を支援する上で、「自分の価値観」を反映して、物事を判断したり、助言を行うと、クライエントのその後の生活に大きな影響を与える可能性がある。

 例えば、「人は皆しっかり働いて自立して生きていくべきだ」という価値観を自分が強く持っている事に自覚がなければ、クライエントの希望を無視して働くことを優先させる支援を気付かずに行ってしまうこともあるだろう。このように、自分の価値観を知らないままで支援をしていると、無意識に自分の価値観を支援に反映させてしまい、その結果クライエントの希望する生活を実現を阻むことに繋がりかねない。自分がどのような価値観を持っているのかを自覚しすること、つまり自分のことを知ること、そして自分と他人が持つ価値観の違いに気付き受け入れることが、専門職としての自己覚知の第一歩であると学んだ。


 2回目と3回目のスクーリングは、専門職としての支援者/精神保健福祉士の在り方を意識する機会となった。

 1回目のスクーリングで、自分の価値観を知る事の大切さを学んだが、クライエントを支援する上で、その自覚した自分の価値観と他人(クライエント)の価値観の違いを受け入れたのは良いが、その後どんな価値観を基盤にして物事を理解・判断していくべきなのかが分からなかった。

 2回目のスクーリングで、精神保健福祉士と看護士等の別の職業の両方の資格を取ったらどのように働いていくべきか、という話題が出た。その時に、同じクライエントを支援する上でも、自分がどの専門職としてどのような視点でクライエントを見ていくかを決めなければならないと先生が話していたのが印象に残った。

 また3回目のスクーリングで権利擁護について学ぶ上で、事例を通して私達が良いと考える支援はどんなものなのか、それは何に基づいて「良い」と判断しているのかを考えるワークを行った。このワークを通して、今まで学んできた事を振り返り、改めて倫理綱領を意味を確認しながら読むことで、専門職の支援とは、1人1人が「ただ良いと感じた」ことをすればいいのではなく、専門職としての価値観と倫理に基づかなければならないことを学んだ。

 スクーリングを受けた後、クライエントとの関わる時に、「今の関わりは専門職としてどうなんだろう」と、自分の関わりを振り返る際に「専門職としての価値観」を、価値観の柱として用いるようになった。「自分の価値観」と「専門職としての価値観」は、まだ一致していない部分、取り込めていない部分はあるが、「専門職としての価値観」に基づいた実践を続けていくことで、その差を縮めていき、支援者としてしっかりとした土台を築いていきたいと思うようになった。

 

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日本福祉大学、課題シリーズ】

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