2月のみかづき。

2月のみかづき。

"Light the Life"  青年海外協力隊として、ラオスで英語の先生になる!編

スウェーデン研修前レポート

研修前の課題で書いたレポート。うぬぬ、読み返してみると稚拙。うぬ。

 

【参考】

 訓覇法子「『学ぶこと』と『働くこと』の有機的な連携 -スウェーデンの教育改革にみる-」(「世界」、2011年3月号)

訓覇法子『スウェーデン共生社会「国民の家」を支える「国家-地方-市民社会」の連携』(「社会福祉研究」第104号、財団法人鉄道弘済会、2009年4月号)

 

1)資料には何が書かれているか
 提示論文1の、「「学ぶこと」と「働くこと」の有機的な連携-ウェーデンの教区改革にみる-には、大きく分けて、スウェーデンにおける教育のあり方、何故スウェーデンは全ての人が教育を平等に受けることを重視するのか、スウェーデンにおける労働と教育の関係の3点について述べられている。
 まずスウェーデンにおいて教育は原則的に無償であり、所得や立場に関わらず全ての国民が、希望すれば大学までの進学が保障されている。また社会に出てからもまた教育を受けたい時は、金利ローンや教育休暇制度を利用し、学業に専念出来る「いつでも、どこでも、誰でもやり直しが出来る」システムとなっている。
 教育の2つの大きな目的として、民主主義社会の形成と経済自立・経済成長が挙げられている。ウェーデンでは、民主主義の「すべての人が対等な価値を持つ」という考え方を実現するために、全ての人が社会形成の過程に参加することに重きをおいている。論文には、「政治や社会のしくみを知り、誰もが国や地方の行政の意思決定に参加できるということが重要なのである」と述べられている。その為にも、全ての国民が教育に参加することが重視されている。 
 労働と教育の関係に関しては、スウェーデンでは、教育は労働市場政策・所得再分配政策・経済政策でもあると捉えられている。消費を前提とした社会では、どれだけの所得を得られるかが生活の水準に直接関わってくる。会の教育を国民に保障することで、雇用を促進し、妥当な所得水準を確保することで、国民の妥当な生活水準を保障し、国民1人1人が知識や技術を得ることで、社会全体の生産性を向上させることで経済成長へと繋がり、その結果として社会保障の財政運営にも貢献すると考えられている。この循環を可能にするためには、「教育政策を経済、労働市場社会保障政策と有機的に連動させる社会政策的戦略」が必要になってくるが、スウェーデンでは、労働市場のニーズに正確に応えるために国が直接介入したり、職業教育を広域化・高度化する高等学校改革、労使組織や民間企業と連携した多次元戦略などの社会政策が行われてきている。
 
 提示論文2の「スウェーデン共生社会「国民の家」を支える国家-地方自治体-市民社会」の連携」では、共生社会の実現を目指すスウェーデン福祉国家「国民の家」がどのように構築されてきたか、スウェーデンにおいて福祉の生産・供給を行う3つのサブ・システムである国家・地方自治体・市民社会がどのように相補関係してきたのかについて述べられている。
 スウェーデンを構築してきたの特徴の1つとして、改良主義とコーポラティズム的政治文化が挙げられている。歴史的に、国内の階級が分断されることなく、組織化された階級間の連携が行われてきた。社会民主党も、どこか特定の階級を代表する党ではなく、「国民の党」として幅広い階級の連帯を目指した事で、スウェーデンにおける社会民主主義は強固なものとなった。また、スウェーデンでは税方式を用いて、特定のグループだけに恩恵が行くような所得再分配の仕組み(選別的福祉レジーム)ではなく、民主主義の価値に基づき、全ての国民に還元されるような普遍主義的な社会政策や高水準の社会保障を行ってきたことにより、国民間の連帯を可能にしてきた。
 3つのサブ・システムのあり方としては、中央集権型国家であることと自治権を持った地方自治体の存在が両立していることがスウェーデンの特徴である。地方自治体は、市民と国を仲介する役割を持つ。公権力の一部であると同時に住民自治の主体でもあり、この2つの役割をどちらもバランスを取りながら果たさなければならない。スウェーデンでは、第一次自治体コミューンと第二次地方自治体欄スティングそして国とが相互に信頼・理解しあい、国民の生活条件の均等化を図るため、それぞれの役割や責務を果たすこととしている。また、地方自治体の自律した住民自治を可能にするためには、市民の組織活動が大きな役割を担っている。
 
2)資料を読んで自分が理解できない点
 提示論文1に関連してでは、まずスウェーデンが目指している「完全な社会参加」が、具体的に何を意味しているのかが理解出来ていない。またスウェーデンが考える「民主主義」とはどう日本で考えられている「民主主義」とどう違うのか、自分の言葉で説明出来ない。
 スウェーデンでは、「教育=働くための手段」と考えられているのかどうかが分からない。学生は、将来仕事をするのに役に立つかどうかを基準に、進路を決めているのだろうか。また、今のスウェーデンではどのような職業や知識/能力が、労働市場で求められているのか、どのような事が学生から人気や需要があるのかも知りたい。
 日本でもし国が教育の方針や方向性を決めるとなったら、反発が起こると思う。戦前のような一画的に国の理想を生徒が押し付けられてしまうかもしれない、という国に対する不信感があり、教育は政治や企業などから独立したものであるべきだという考えがあるように思うが、それをきちんと証明する根拠がない。日本における教育は、国全体として見たときに、どのような役割を求められているのかが、分からない。
 
 提示論文2に関してでは、3つのサブシステム間の信頼関係は、どうやって構築されてきたのか、もっとスウェーデンの社会/国民運動の歴史を知りたいと思った。だいたいの流れは、論文から読みとることが出来たが、現在のスウェーデンにおける信頼関係を可能にする程の国民運動は実際にどんなものであったのか、今ひとつ想像出来ていない。また、現在のスウェーデンで市民の組織活動が実際どのように、地方自治や政治システムへの参加しているのかも知りたい。
最後の方に、スウェーデンの国民が優先する理想な市民の道徳的特性として「他人に左右されず独自の考えを形成し、生活保護申請や税金をごまかさないこと」とあるが、どうしてスウェーデン国民はこのような道徳観を持つに至ったのだろうかが分からない。国民間の連帯があるから、他の人に迷惑がかかるような不正な行いを恥じるような考えを持つのだろうか。
 
 
3)スウェーデンの国の社会政策に対する考え方を述べる
 スウェーデンでは、全ての人が対等な価値を持つという民主主義の考えを重視し、
 
1.全ての人に完全な社会参加を保障すること
2.最低限の生活水準ではなく、妥当な生活水準を保障すること
3.国民連帯を保持するためにも、誰も排除されることのない共生社会を築くこと
4.生活条件を左右する所得力の水準を向上させるために、国民の経済的な自立を図ること
 
の4つが国の社会政策の大きな目標・目的としてあるのだと考えた。これらを達成するために、スウェーデンでは、公共が大きな力を持つ「大きな政府」と柔軟で自律性のある地方自治体の両立、世代間連帯である税方式による財源確保、全ての国民への平等な教育政策などの社会政策が行われているのだと考える。