2月のみかづき。

【千里同風】ラオスでお茶会をしたら、ますます茶道が好きになった話。

バイディー(こんにちは)!

まだまだ雨期で、毎日雨がふっているラオスです。先日 9月15日に、なんとここラオスでお茶会をやりました〜!しかもかなり本格的なお茶会です。

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1年以上ぶりのお茶会でしたが、やっぱり茶道すきだー!世界に誇れるThe ジャパニーズカルチャー。今回の記事では、お茶会の様子を写真とともにご紹介しつつ、改めて感じた茶道の魅力をお伝えしていきます。

なるべくお茶会の流れに沿って書いていくので、バーチャルお茶会ということで、どうぞごゆるりと一服していってください。

 

ラオスでお茶会!?

今回、ラオス・ファッションウィークというイベントの一環としてお茶会が開かれました。主催は、○年に渡りラオス職業訓練などの支援をしつづけている IVジャパンという団体。代表の方が表千家の教授で、このIV ジャパンがもっている OTAFUKU という日本食レストランでお茶会を行ってくださることになりました。 

お茶会に行ったこと・参加したことがある方は分かるかもしれませんが、お茶会って「お茶を飲む」だけじゃなくてたくさん準備するものがあるのです。

 

まずは、お菓子。お茶をおいしくいただくためにも、お菓子が欠かせません。今回は、手作りのおはぎを準備してくださいました。

もち米にあんこに、きな粉!!美味しくないはずがない・・・

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そしてお茶碗。今回はいろいろな国のお客さんが来ることもあり、世界各国で先生が集めて来た器を使わせてもらうことに。

 タイ・ネパール・スペインのガラス、パキスタンので見つけた”お茶碗”ではないけれども、使えそうな器たちをお茶碗として見立てて使いました。そしてもちろん日本各地のものも。

こうやって色んな国のものを集めるの私もやりたい!

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裏方の私たちは、当日午前中に集合して、着付け、準備をして、すこし練習をして、お昼をいただきました。

レストラン特製の巻き寿司おいしい〜〜<3 

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腹ごしらえもすみ、最後の確認をしている内に1時の席のお客さんが、すこしずついらっしゃいました。

待ち合い場所では、とってもキレイな打掛(うちかけ:花嫁さんの衣装)がお出迎え。

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待ち合い場所には、煙草盆と香合も置いてあります。煙草盆は、「どうぞくつろいでください」、お香には「場(空気・気持ち)を清める」という意味があります。

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「ど〜〜〜〜〜ん、ど〜〜〜ん」

ドラの音を合図に、お客さんが会場へ入っていきます。最初の席に座るのが、「正客(しょうきゃく)」といって、1番大切なお客さん。通常は、男性や茶道の経験が長い人が座ります。今回は、特に気にせず席入りです(^^;)

一番奥の席が今回は、正客の席。

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少し見えづらいのですが奥に、季節のお花とそのお茶会のテーマを表す掛け軸とが飾られています。

今回の掛け軸の言葉は、「千里同風」。”せんりどうふう”と読みます。

世の中が、よく治まって、平和であることのたとえ。

遠く離れた土地であっても、風俗が同じであり、世の中がおだやかなことを意味しているようです。 国の中の殆どの人が、同じ思いを持ち、ひとつの目標に向かおうとした時、世の中は、同じ風が吹くということと思います。 たとえば、日本では、太平洋戦争が激しくなって終戦を迎えた時、国じゅうに、戦争は2度と してはいけないという平和への願いが、 風として吹いていたのではないかと思います。また、逆の考え方をすると、世の中が乱れている時は、同じ風は吹かないで、 さまざまな風が吹くということではないかと思います。

(引用:四字熟語・千里同風

私もラオスに来てから出会った言葉なのですが、どんな離れたところにいても同じ気持ちでがんばっている人がいる、という風に感じられてじーんと感動したのを覚えています。(こちらの解説も素敵→千里同風(せんりどうふう)

ちなみに英語だと、

 a country being in a state of universal peace; the world being peaceful and uneventful (by Weblio辞書)

と訳されていました。なるほどなるほど。 色んな国からお客さんがやってきた、このラオスでのお茶会にぴったりな言葉だとおもいます。

 

さて、そんな「千里同風」の掛け軸に見守られて、お茶会がはじまります。

まず先生からはじまりのご挨拶があり、お菓子を配っていきます。 

お茶の苦みを味わうために、お茶を飲む前にお菓子を食べます。

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そして亭主(お手前をする人)と半東(亭主のサポート役)が入っていって、お手前をはじめていきます。今回は畳はなく、立礼(りゅうれい)というテーブルといすを使ってお手前です。

お客さんは、フランスの人が多かったのかな?ラオス人もフランス留学経験のある人、あとアメリカ人でこちらのNGOで働いている人などが参加して、お手前の間にお茶についてすこし説明。

みんなはじめてのお茶会ということで、1つ1つ珍しがりながらお茶会を楽しんでくれました。

だいたい次客位(2番目のお客さん)までは、亭主がお客さんたちの前で点てますが、それ以外の人たちには、裏(水屋)で準備して、1人1人に運んでいきます。

今回は人数が多かったので、4客まで亭主が点てます。どんなお茶碗で出てくるのか、たのしみ。

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お茶をいただいたあとは、着物の紹介

今回は、みんな違う種類の着物を着ていました。年齢やシチュエーション、未婚既婚かで、袖の長さや着れる着物が細かくちがうんですよね。この辺、なかなか日本人でも知らないですよね。。勉強になりました。

ちなみに左から、色無地・訪問着・江戸小紋・紬・浴衣・胴着です。ちなみに胴着が"Wow, Samurai!"と1番うける。笑 

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そして次の2時からの2席目では、お手前をさせてもらいました。

1年以上ぶりのお手前。き、きんちょー!

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めっちゃみんなに見守られてる。

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 ラオス・日本・フィンランドからのお客さんたち。ちびっこスーパーマンもいました。

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職場からも2人来てくれましたー!

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途中から楽しくなってきた。

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抹茶を飲むのも初めての人がほとんどでしたが、「よい香り」「おいしい〜」と言ってもらえたのがうれしかったです。

4客(4番目のお客さん)までお茶を点てさせてもらい、道具をしまい、最後に使ったお水を注ぎ足したら、半東さんと最後のごあいさつ。

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一席目と同じように、着物の紹介が終わったあとは、待ち合いで記念撮影大会です。

職場の2人と!打掛にめっちゃ感動してました。あとおはぎを大絶賛。

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開催側でも集合写真!

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 当日キャンセルで、残念ながら次の席はなくなってしまったので、今回スタッフだったみんなで最後の1席。リラックスした雰囲気の中、お茶をいただきます。そして余韻をのこしたまま、帰路につきます。

おつかれさまでした。

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お茶の魅力って??

日本でお茶を習っていたとき、「茶道って何が楽しいの?」と聞かれたことがありました。その時は、「ん〜純粋にお稽古いくの楽しいんだよなぁ」と上手く答えられなかった。

今回ラオスでお茶会に参加させてもらって、こうやって振り返ってみて、初心者の私が思うお茶の魅力を4つお伝えして、この記事をおしまいにしたいと思います。

 

まずはお茶は、「日本文化の玉手箱」のようだなぁと思うのです。もともと日本の文化がめっちゃ好きなのですが(縁側とか見ると悶えます)、中々日常で、ましてやラオスにいては触れる機会がないもの。

お茶って、タイムマシーンみたい。お道具、着物、言葉、動作、日本の美しいものたちをお茶を通して取っておいて、それを現代に届けてくれる。大切なものがたくさんつまった宝箱のようなもの。そしてその美しさは、日本の外でも伝わる。

そして「一瞬に集中できる」こともお茶の魅力の1つ。もちろん、稽古やお茶会ってめちゃくちゃ緊張します。だけど普段いろんなことに気持ちが向いているものを、目の前の動作1つ1つに集中していると、不思議と気持ちが落ち着いてくる。ぴりっと心地よい緊張感と、そのあとの落ち着いた気持ちの両方を感じることができます。

そして「相手をおもいやるってこういうことなのか」と行動から学べること。普段、なかなか「人を思いやる」ってやりたいと思っていても、どうしたらいいのか分からない。お茶ってたくさんルールがあるように思えるけど(実際にありますが・・・)それって基本は、お客さんに気持ちよく過ごしてもらうためのもの。最初は手順を覚えるに一生懸命だけれど、それが分かったときにはじめて納得できる。

日本人が長い時間かけてつなげてきた「相手を思いやる」ためにできることを、お茶を通して学ぶことができるんじゃないかと思います。

最後は「感謝」の気持ちっていうのは、こういうものか!とすごく実感できること。日頃忘れてしまいがちな、感謝の気持ち。

今回もお菓子やお茶を運ぶときに、お客さんたちが「ありがとう」と日本語でとても丁寧に言ってくれて。この「ありがとう」がなんだかすごく染みるんです。

自分以外の誰かが、自分のためだけに、時間と手間をかけて場を整えて、一杯のお茶を点ててくれること。これを実感すると、「ああ、有難いなぁ」という気持ちがじわじわと生まれてくるんです。

今回もよく分からなかったであろうお茶会にわざわざ足を運んでくれたお客さんたち、そして1からこれだけのお茶会を準備してくださった先生やお手伝いしてくださった方に感謝。

いやー、この感謝の気持ちを普段から持ちたいのですが、これがなかなか難しい。お茶を通したときに、1番しっかりと分かりやすく自分の中で感じられる気がする。この感覚を大事にしたいなぁと思います。

 

 まさかラオスでお茶会が出来るとは思っていませんでした。そして海外でお茶に触れたからこそ、改めて感じられた魅力たち。ああ、お茶っていいなぁ。

なんとなく「お茶って難しそうだなぁ」「堅苦しそうだなぁ」と思う人もいるかもしれませんが、今度お茶会が近くで開催されていたら、ぜひ1度行って体験してみてください。(^^) 

 

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