【青年海外協力隊】2年間の活動のまとめ・第5号報告書を公開します。
サバイディー!ラオスから、こんにちは。
さぁ、日本にそろそろ帰ります。わ、本当に帰るのか。
まだまだまだ、実感がわきません。あと半月で、常磐線とか乗ってるのか。
ラオスでの2年間の活動が、ほぼ終わりました!第5号報告書、つまり最終報告書を書いたので、公開します。これまで1号から4号までこのブログで公開してきましたが、これで最後になります。
帰る前にもう一度見れた、ルアンパバーンのワットシェントーンにある "生命の樹 (Tree of Life)"
■報告書要約
1.活動結果
a.ラオス労働連合組合での英語コース
主な活動であった活動先での英語コースについて。行った日程は以下の通り。
- 2015年10月〜2016年4月(6ヶ月)
- 2016年6月 〜2016年12月(6ヶ月)
- 2017年1月〜 2017年5月(3ヶ月)
b.English cafe in Vientiane の創設と継続
c.活動先でのTESOL(英語教授法)コースの開催
2.要請の妥当性
a.「先生」としての受け入れ
b. 日本人がラオスで英語を教えるということ
3.活動成果の配属先による活用の見込みと今後の配属先への支援の必要性
a. 能力開発センターの必要性
b. 配属先に対して出来たこと
4.ボランティア経験について
a. 今の私に出来ること
5.帰国後ボランティア経験を社会に還元又は発信するための方法と計画
a. 発信していくこと、伝えること
b. 関わりを続けていくこと
その他活動
活動関係リンク
English cafe in Vientiane facebook ページ:
https://www.facebook.com/bopeyangder/
(生徒向けに作成)英語・ラオス語の重要単語学習ページ( Quizlet内 ):
Essential Vocab (English - Lao) Folder | Quizlet
ビエンチャンで英語を学べる場所まとめ:
1.活動結果
労働連合組合での英語コース
2年間の主な活動は、要請にあったように、活動先での英語コースの開催であった。
労働組合のメンバーである、公務員を主に対象とし、合計3回のコースを行った。それぞれ月曜日から木曜日の週4日、1日2時間、初級・中級クラスの2クラスを担当した。
コースの内容は特に決まっておらず、仕事に活かすことを視野にいれながら、基礎力をつけること、実際に使えるようになることの2つを大事にしたコース作りを心がけた。
コース内では、JENESYSや常滑高校の学生の受け入れや、外国人ゲストを招き、実践の場をつくり、"What is your peace?" や書道体験、COPEセンターへの見学等の活動も取り入れた。
また必要に応じて、教材の作成や、面談の練習や奨学金のためのエッセイのチェック等も同時に行った。
English Cafe in Vientiane
「もっと気軽に英語を話す場、英語を通して交流する場をつくりたい。」とはじめた English Cafe。場所を活動先から、タートルアン付近の Parisien Cafe に場所を移した。帰国までに全14回の開催。現在、毎週日曜日に開催している。
facebook ページ(現在 800近いlike!)やポスターを通して広報を行い、リピーターと毎回色々な国からの新しい参加者がいる。
帰国後も継続できるように、5月から運営チームを募り、現在8名のボランティアで運営をしている。
TESOL (英語教授法)コースの開催
1月より、活動先のスタッフ5人を対象に、TESOLのコースを開講した。全○回。金曜日の午前中2時間を使い、英語の教え方について、実践を交えながら学ぶ機会を提供した。
内容は、「よい先生って?」という問いかけから始まり、発音、文法、単語の学び方・教え方、4技能を教えるクラスアクティビティ、レッスンプランの立て方、最後に50分実際の授業の評価・振り返りの仕方までを学んだ。
要請の妥当性
「先生」としての受け入れ
今回の要請で、活動先から求められていたのは「英語の先生」だった。他に先生がいない中で、特に活動初期は、完全にマンパワーとして働いた。
活動先からは、本当にやさしく大事にしてもらったと感じる。先生という立場もあり、やりたいことは大体やらせてもらえて、活動はとてもしやすかった。
日本人がラオスで英語を教えるということ
英語を学びたい公務員は多く、英語の講師の必要性はとても感じたが、それがJICAボランティアである必要性は、私自身最後まではっきりとした答えは出せなかった。
ただ英語を教えるだけなら、市内に在住の外国人でもよいのではないか、と思ってしまうこともあった。アジア人として馴染み易い、日本文化を伝える、ラオス語が分かることで理解しやすい等は利点として挙げられるかもしれない。労働組合連盟は党の下にある団体で、中々個人の外国人を雇えないということもある。
English Cafe やTESOLコース、日本文化紹介等、JICAボランティアとして出来ることを探し続けた2年間だったと思う。
活動先としては、まだ英語の先生のボランティアを必要としている。でも、それがJICAボランティアである必要があるかどうか、検討してもらいたい。
活動成果の配属先による活用の見込みと今後の配属先への支援の必要性
センターの必要性
ASEANへの加入や共産主義国家の仕組みもあり、ラオスでは公務員が海外へ留学したり、国内外で研修・ミーティングを行う機会が大変多いことを、生徒を通して知った。国を造っていく上で大きな役割を担う公務員たちが、英語を即急に習得する必要性を強く感じた。
活動先の能力開発センターでは、安い授業料で、就業時間内に学べる機会を提供しており、上手く機能すれば公務員の学びの中核的存在になり得る。
配属先に対して出来たこと
活動の中で、2コース目の出席率の低さを鑑みて配属先と話し合い、センターとしてのルールを設けた。又クラス代表との話し合い、修了証書を2種類作る事、修了式に生徒のスピーチを取り入れる事等を提案。
TESOLコースに加え、同じ職場のスタッフとは、積極的に英語で会話をしたり、昼休みに会話レッスンを行う等、英語力向上に努めた。
スタッフ同士協力し合い、研鑽を積んでいけば、なんとか初級のクラスはスタッフだけでも行えると思う。ただ生徒の「外国人と勉強したい」との声や、スタッフのスケジュールや自信のありようが懸念となっている。英語コースを今後継続していけるかは、スタッフの決意とボランティアの受け入れ次第だと思う。
ボランティア経験について
今の私に何が出来るのか
「何が出来るかな」と考える癖がついた気がする。協力隊という立場でおおらかなラオスの人々に囲まれ、色々と試させてもらい、たくさん失敗もさせてもらった。
ビエンチャンという場所柄、外国人やラオスの学生等、自分達で何かをしようとしている人達にも出会い、一緒に話をし活動することで、やってみること、はじめてみることへの怖さが随分と減ったと思う。
人の役に立つって、目に見えない事の方が多く、手応えをもつことは中々難しい。その中でやれることを怖がりながらもやっていく感覚は、ボランティア経験で得たことの1つである。
1人でも出来ること、始められる事はたくさんある。1人で出来る事の限界もある。本当に広い範囲で目に見える形で、人の役に立つための専門性や知識も経験も足りない。でも1人では出来ないけれど誰かと協力すれば出来ることもある。
全ての事に関わることは出来ない中、自分は一番何が気になるのか、何を変えたいと思うのか。トピックかもしれないし、自分が関わった人、好きな人や場所なのかもしれない。自分が「何かしたい」と思ったところで、知識や経験を積みながら、そのときに出来ることをして、出来ることを増やしていきたい。
帰国後ボランティア経験を社会に還元又は発信するための方法と計画
発信していくこと、伝えること
行く前の研修から、帰ってから死ぬまでの全部をひっくるめてを、協力隊として投資してもらったのかなと思っている。
帰国後は、8月からピースボートの船旅に通訳ボランティアとして参加予定である。そこで、ラオスのこと、不発弾のこと、協力隊経験のことを話す機会を持つ予定である。
もちろんその後も、出会う人にラオスのことを知ってもらえればと思っている。見学に来てくれた常滑高校にも、遊びにいければと話している。
また継続して書いてきた自分のブログも更新を続ける。書き切れなったラオスの旅行のことや、ラオスで働く人のインタビュー、学んだことも随時書いていこうと思う。
関わりを続けていくこと
どんな形になるかは分からないが、ラオスとの関わりを続け、仕事や旅行かで戻ってきたい。
ラオスで出会った人たちと連絡を取り、活動先の人やEnglish cafe関係の人たちとは、SNS等を通してサポート出来ることはしたいと考えている。また地元の茨城県つくばには、JICAセンターや大学があるので、ラオス人が多く住んでいると聞いた。彼らとも積極的に交流が持てればと思う。
JICA事務所への要望
JICA事務所には、事務的な手続き等では大変お世話になりました。ただ活動に関しては、ほとんど関わりがなかった。
活動や活動先のことを知ってもらうために、もっとこちらから働きかけるべきだったのかもしれない。そうしたら後任を送ることが出来たのかもしれない。自分のJICAへの働きかけが足りなかったのかと少し後悔している。
調整員の方も忙しいとは思うのですが、出来たら担当の隊員の近況を毎週5分でも10分でもいいから聞くように出来たらいいなと思う。他団体が週に1度スカイプ等を用いて、担当スタッフと前任者と30分程度話しているというのを聞いて、そこまで出来なくても定期的に話せる機会が協力隊にもあればと思った。
どんなに小さなことでも、ただ定期的に話すことで、隊員の心理的にもいいし、活動のヒントにもなる。調整員にとっても現場にいる人の声をきくことが1番現場を知ることに繋がると思う。
又活動のヒントになるような情報をもし持っていたら、どんどん共有してもらいたい。隊員側からも聞くべきだが、例えば同じような活動をしている隊員の存在や、関連したプロジェクト等、積極的に隊員に紹介してもらえたらと思う。