【ラオス旅行】古都ルアンパバーンで、ラオス正月を。【ピーマイ】
サバイディー!(こんにちは)mikakoです。
ラオスのお正月(ピーマイ)は4月14日から17日の3日間にかけてお祝いされるのですが、旧都であるルアンパバーンでのお正月は、昔から続く様々な行事を織り交ぜながら、1週間かけてじっくりと、祝われています。
私が旅行でルアンパバーンを訪れた際は、3日目と4日目の行事を見ることができました。その時の様子を紹介していきます。写真たっぷりの長めの記事です。もしよかったら、ごゆるりとお付き合いください。
(旅行の概要については、こちらを。【ラオス北部】サイニャブリーとルアンパバーン旅行を振り返るの巻。)
お土産屋さんにあった、操り人形。
古都・ルアンパバーンってどんな場所?
まずは簡単にルアンパバーンのご紹介を。ルアンパバーンは、ラオスの北部にある小さな町です。その歴史から、ラオスの京都・奈良と言われていたりいなかったり。
歴史的には、13世紀にラオスがランサーン王国として統合されたあと、その首都となり栄えていました。その後、15世紀にヴィエンチャンに遷都しますが、その後17世紀にルアンパバーン王国として独立国し、その首都に。またまたその後、フランスによってラオスが併合されたとき、ルアンパバーンの統治者が、保護領の代表として認められていました。
1975年に王政が廃止されるまで、王都として長い歴史と文化を育んできた場所です。ラオスの王朝文化とフランスの影響が混じった風景が、小さな町の中に残っています。
1995年に、街全体が(珍しい!)世界遺産に登録されてから、ラオス一の観光名所として人気を集めています。
そんなルアンパバーンでのお正月は、その歴史の中で祝われてきた伝統を残したものであり、「ラオスで一番華やかにお正月が祝われる場所。1度はルアンパバーンでお正月を過ごすといいよ。」と言われていたので、楽しみにしてきました。
一週間のスケジュール
ルアンパバーンでのお正月の大体のスケジュールはこんな感じです。
1日目:大晦日
2日目:往路のパレード
3日目:元旦、復路のパレード
4日目:パバーン像のお出まし
5、6日目:パバーン像が公開
7日目:最終日
これらに合わせて、たくさんのイベントが行われていきます。ちなみにその前にも、”ミス・ピーマイ”という7人の美女を選ぶコンテストが行われています。
ラオス正月の3日間の1日目は大晦日、2日目は中間日(古い年でも、新しい年でもない)、3日目が新年と考えられています。
それでは3・4日目の様子を書いていきます。
3日目:托鉢とプーシーの丘へのお参り
プーシーの丘から見える朝日。
王都であったルアンパバーンにはたくさんのお寺があります。毎朝5時ころから、町中をお坊さんの行列が托鉢のために歩いており、観光客も喜捨できるようなっていて、ルアンパバーンの1大”観光スポット”にもなっています。
折角なので見たい!と思い、朝5時半頃にゲストハウスの前へ行くと、托鉢セット(もち米・お菓子)を売るおばちゃんたちがすぐに売り込みに来ました。(強い)
その値段の高さにちょっと凹みながらも、道路沿いに座って待つ。隣には日本人夫婦と、物乞いと思われる子供たち。
ルアンパバーンでは、ラオスの他のどの場所よりも、大規模な喜捨が行われていて、お坊さんだけじゃ食べきれない分を、こうやって子供たちなど望む人たちへ分け与えているそう。
この”システム”が日本、例えば新宿とかで毎日行われてたら、ホームレスの人や食べ物に困っている人たちが、毎日お腹が減ることはないんじゃないかなんて思いつつ、喜捨をしました。
この日は、お正月でどこかのお寺で特別な托鉢が行われていたらしく、普段のような行列ではなく、お坊さんたちの数は少なめでした。
そのあとは、街の中心にたつプーシーの丘を登ってお参りに。新年の1日にあたるこの日は、多くの人がプーシーの丘の上のお寺にお祈りにいく。日本の初詣でみたいですね。
プーシーの丘は、神話上のルアンパバーンの町の創設者である隠者2兄弟が住んでいた場所であり、天との通路と考えられていると伝承にはある。
ここでもお供え用の花と放鳥用の鳥を半ば強制的に購入。ルアンパバーンの売り手のおばちゃんは、たくましかった。ラオスにいて、あんまり押し売りされるってことはほとんどないんだけれど、観光地だからか、ほぼ押し切られるように買う。(鳥怖くて、いらないって言ったんだけどなぁ)
プーシーの丘へは、329段ある階段を上っていきます。上りながら、階段の柱1つずつに、お菓子やもち米を置いていきます。
面白いのが、お菓子を置いた途端、子供たち(物乞いの子では多分ない)が
さっとそれを持っていくこと。
そこにずっと座っている子もいれば、上りながら前の人のものをもらっていく人もいたり。
「お坊さんが食べたものには徳が宿る」と信じられてるから、お寺でお坊さんが少し口をつけた食事を、そのあと一般の人が頂く姿も見ます。それもあって一度お寺に捧げられたものは、「よいもの」としてもらっていってるのかな。それにしても、「循環してるなぁ」と一緒に行った人と感心していました。
丘の上にはお寺があり、お参りして、下で買った鳥をかごから逃がしました。
捕まえられた動物を自由にすることで徳を積むために、普段から他のお寺でもよくかごに入った鳥が売られていますが、特にこのお正月の時期に鳥や魚などの動物たちを自由にすることは大事だと考えられています。
どこかでなるほどと思いながら、人間が捕まえて、離してるんじゃん!と思うのですが、、、飛び立ってくれた時には一安心しました。
皆着飾ってお参りに。(右)お菓子やお金を投げて、落ちてこなかったらいいことがあるみたい。
丘からの眺め。北部は焼き畑の季節らしく、あまり景色がよく見れなくて残念。
いたる所にお供えが。
仏像へかけるための甘茶も売っていました。
復路のパレード!
そのあと少し休憩して、昼のパレードへ。前日の往路では、ワット・アハム寺院を出発して町の反対側にあるワット・シェントーン寺院を行進していたのですが、この日はその道を反対に戻っていきます。
このパレードでは、プーニュー(お爺さん)とニャーニュー(お婆さん)という、天に住む先祖の霊とされる精霊が参加しています。(見た目はなまはげに似てる!)普段は出発地点であるワット・アハム寺院に保管されていて、この新年のパレードで1年に1度だけお目にかかれます。彼らをまとえるのも、代々決まった家族だけだとか。
14時からスタートの予定。・・・が、中々来ない。(スタートはしてたけれど、ゆっくり歩いてたからかな。)暑くてお寺で涼んでいたら、プーニューとニャーニューを見逃しました(泣)あほーー
プーニューとプーニャーに続いて、お寺ごとに(多分)お坊さんたちがまとまって歩いていきます。顔を見るのが面白い。きりっとしている人もいれば、きょろきょろしている人、すっごくつまらなさそうにしている人、ニコニコしている人。年齢層も、まだ子供のような若い人から年配のおじちゃんまで。
この中に座っていたお坊さんは偉いお坊さんだったのかな。でも皆若かったぞ。
道ゆくお坊さんへ、水をかけていきます。
続いて、地元の人たちと思われる団体が続いていきます。
伝統芸能のお面をかぶった集団!
うきー!
その後は、ミスピーマイ達も。華やか~~。神話に基づいて、7人の美女が選ばれます。
お正月イベントの間は、水かけ合戦を楽しみ、
伝統舞踊演劇:ラーマーヤナ
夜は国立博物館の敷地内で、伝統芸能のパフォーマンス。2曲踊り、伝統舞踊演劇の”ラーマーヤナ”が伝統音楽の生演奏と共に行われました。
元々はヒンドゥー教の叙事詩であったラーマーヤナは、東南アジアの国々に広がり、それぞれの国でアレンジされながら、文化の中に根付いています。(インドネシアのケチャ・タイのラーマキエンなど)
ラオスでも、"Phralak Phralam"として、仏教の話を織り交ぜながら、ラオス独自のラーマーヤナとして受け継がれてきている。普段もこの博物館の中で劇団によるショーが行われていて、今回は、そのピーマイ特別版。
参考:Phralak Phralam | Dénommé Théâtre du Phralak Phralam,
博物館の前のステージ。
司会の2人が、ラオス語とフランス語で説明(かっこいい!)していました。
ひと昔前まで、ラオスでは英語よりもフランス語が第二外国語として強い影響力を持っていました。年配の方は今でもフランス語が喋れる。それでも、こういう場面でフランス語であえて説明する姿に、一種のプライドを感じた気がします。
4日目:パバーン像のお出まし
4日目のは朝のパバーン像の行進です。新年行事のハイライト!
紀元一世紀にスリランカからもたらされ、その後戦争で持ち去られたりもしながら、守ってきた聖像。ルアンパバーンの名前もここから来ています。
普段は国立博物館に保存されているのですが、1年に1度だけワット・マイ寺院に運び出され、市民たちがお参りに(水をかけに)いきます。
朝8時ごろ、金の船に乗せられて、博物館を出発してすぐ隣のワット・マイ寺院にいきます。距離は近いけれども ゆっくりゆっくり歩いていきます。
この行列に加わるため、みんなおめかしして集まってくる。男性がこうやって着飾っているのって珍しい!結婚式だけだと思っていました。絵になる!
さぁ、出発!
王宮衣装?をまとい、貝を吹く男性陣!
お坊さんたちも。
パバーン像。さすがの威厳・・・!
そのあとにずらっと、市民が続いていきます。
ミス・ピーマイたちも大集合。
ワット・マイ寺院に到着後、読経され、水がかけられます。
パバーン像は寺院内に7日目まで置かれ、人々が水をかけに訪れる。その後7日目に元の場所へ戻っていき、お正月ウィークが終了します。
ルアンパバーンで、ラオス正月を。
はじめて訪れたルアンパバーンで、はじめてのラオス正月を堪能させてもらいました。他の地でも、お祝いや水かけは行われているけれど、この続けられてきた形式に沿ったお正月は、古都ルアンパバーン特別のものなんだろうなぁ。
世界遺産に登録されてから、観光客も増え、お正月中もたくさんの外国人がルアンパバーンに来ていました。(私たちもか)
騒がしくて、めちゃくちゃなパーティーが行われているすぐ横で、古くから続く神話と仏教に基づくお祝いが行われてる。そのギャップが本当に不思議。
生徒さんの中でも、ルアンパバーン出身の人って、”誇り”のようなものを持っているように感じていたんです。自分のふるさとに対して。”私はあのルアンパバーン出身なんだよ”みたいな。それがなんとなく分かった気がした。
小さい街の中に、古く伝わる大切なものが、たくさん詰まっている。それを1年に1度皆で確かめあうような、そんなルアンパバーンのお正月でした。
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