【ほぼ1日1TED:教育】ビル・ゲイツ:教師へのフィードバックがもたらせる変化
すこーしずつ習慣になってきた、ほぼ1日1TED。今週から2週間のテーマは、「教育」!
今月中旬に協力隊の総会があり、そこで教育の分科会に参加させてもらうので、教育ってなんじゃらほい、と考える機会にしたいなと。
「よりよい学ぶ環境をつくるにはどうしたらいいんだろう?」という疑問を持ちながら見ていこうと思います。
1日目の今日は、ビル・ゲイツの「教師へのフィードバックがもたらせる変化」を紹介していきます。
(原題: Bill Gates "Teachers need real feedback")
1. どんなスピーチ?
スピーカーは皆さんご存知、ビル・ゲイツ!説明は不要ですな・・・マイクロソフトを引退したあとは、奥さんのミリンダと一緒に「ゲイツ財団」を立ち上げて、幅広い分野で慈善活動を行っています。TEDでも、7回スピーチをしている常連(?)さん。
ゲイツ財団の活動の1つに、Measures of Effective Teaching (MET:効果的な教育のための指標)という、教師へのよりよいフィードバックをするための仕組みを作るプロジェクトがあります 。
このスピーチでは、METについて、そして教師へのフィードバックがいかに国全体の繁栄につながるかについて語っています。
2. スピーチの抜粋
We all need people who will give us feedback. That's how we improve. Unfortunately, there's one group of people who get almost no systematic feedback to help them do their jobs better, and these people have one of the most important jobs in the world. I'm talking about teachers. When Melinda and I learned how little useful feedback most teachers get, we were blown away. Until recently, over 98 percent of teachers just got one word of feedback: Satisfactory.
(私たちは皆、フィードバックをくれる人を必要としています。フィードバックによって、私たちは改善できるのです。残念ながら、あるグループの人々は、よりよく仕事を行うためのフィードバックを、ほとんど受けていないのです。そして彼らの仕事は、世界の中で最も大事な仕事の1つです。その人々とは、教師たちです。教師たちが得られる有益なフィードバックが、いかに少ないかを知ったとき、私とミリンダは本当に驚きました。つい最近まで、98%以上の教師が得られるフィードバックは、「申し分ない」のただ一言だけでした。)
What would that system look like? Well, to find out, our foundation has been working with 3,000 teachers in districts across the country on a project called Measures of Effective Teaching. We had observers watch videos of teachers in the classroom and rate how they did on a range of practices.
(このシスステムは、どのようなものでしょうか?私たちの財団は、アメリカ中の各地域で働く3000人の教師と 「効果的な教育のための指標」というプロジェクトで協力してきました。私たちは、教師が授業を行っているビデオをみて、色々な側面から彼らの教授法を評価したのです。)
For example, did they ask their students challenging questions? Did they find multiple ways to explain an idea? We also had students fill out surveys with questions like, "Does your teacher know when the class understands a lesson?" "Do you learn to correct your mistakes?"
(例えば、「教師は生徒たちに考えさせる質問をしていたか?」「ある考えを、多数の方法で説明していたか?」などの項目を評価をします。そして生徒たちにも、アンケートに答えてもらいます。「教師は、生徒が理解したことを把握していましたか?」「自分の間違いを正すことを学びましたか?」といった質問をしました。)
But this system would have an even more important benefit for our country. It would put us on a path to making sure all our students get a great education, find a career that's fulfilling and rewarding, and have a chance to live out their dreams. This wouldn't just make us a more successful country. It would also make us a more fair and just one, too.
(このシステムは、さらに大事な恩栄をこの国にもたらしました。それは、全ての生徒がすばらしい教育を受けられ、やりがいのある仕事をみつけ、夢に向かって生きていくための道を開いたことです。この国をさらなる成功に導くだけでなく、もっと平等で公正な国へとすることに繋がるのです。)
3. あたらしい言葉
- revamp: 改良する
- perch: (v) ...の上に止まる、腰かける
- take a peek: のぞき見する
4. 感想
意外だったのは、スピーチへのコメント欄に否定的なコメントが多くされていたこと。 例えば、「先生の質が悪いんじゃなくて、システムそのものが悪い」とか「教育分野での経験がないゲイツが何をいうてるんだ」とか。
”People who have no practical experience as educators try to tell teachers how to do their job."
"I think there is a very detrimental practice that is very prevalent and is exhibited by Bill Gates, here. Why is it that people outside the field of education make these comparisons to other countries and then, ignore the practices that those countries employ to achieve the success."
うーん、確かにスピーチ自体はそんなに compelling なものじゃなかったし、ビデオの中の先生もまっとうすぎる事しか言ってなくて、あんまり響かなかったけど。(そして 冒頭の98%も generalize しすぎ?)
教育分野の中で生まれた既存のフィードバック以外のやり方が入ってくるのも、ありなんじゃないでしょうか。もちろん、子どもや第一線の人の声に耳を傾けながらだけれど。あとは、何が「効率的な教育」なのかっていうのも考えなきゃいけないのか。
このスピーチは3年前のもの。今はどんな形で work してるのか、HPみてみよう。
ちなみに私がいるビエンチャンでは、個人で学校をやっている人など、非正規の先生がとても多いです。多少なりとも教授法の訓練を受けた、正規の先生でも、フィードバックが足りてないのに。非正規の先生たちは、自己流で教える中で、フィードバックもほとんどもらえない環境にあります。
という私自身もほとんどフィードバックがない状態で教えていて、不安になることが多々あります・・・そういう先生同士で何か協力できないかなぁ。そして自分の授業のビデオも1度撮ってみようっと。
5. スピーチについて
Bill Gates: Teachers need real feedback | TED Talk | TED.com
Event: TED Talk Education
Date: May 2013
Length: 10:24
MET プロジェクト